学生の皆さまへ~緊急事態宣言延長を受けて~
2021年05月10日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
4月26日から5月11日までの予定で発令されていた第3次緊急事態宣言が延長されることとなりました。感染者数の減少がはかばかしくないここ数日の動向から予想はされていたことです。今は収束のために我慢の時ですが、学生の皆さまがキャンパスに戻る日が先になってしまいました。
4月1日に無事、入学式を挙行して新入生を迎え、対面授業も復活させた矢先の緊急事態宣言でした。小規模大学ゆえに可能な限り対面授業を守って丁寧な教育をと、常日頃から願っている教職員にとって、再びオンラインに切り替えざるを得ないという決断は、とてもつらいものでした。
なによりも、また授業がオンラインになって、登校が叶わなくなった皆さまのことが心配で、キャンパスを歩いて、声をかけてみました。
「大丈夫? 元気でいてね? 困ったことがあったら、すぐに大学に連絡してくださいね」と。
すると、明るい笑顔で、「大丈夫です」と応えてくれて、安堵いたしました。
「また会える日まで、先生も元気でいてくださいね」と、何人もの学生が言葉を返してくれたことが忘れられません。
せっかく友達とキャンパスで楽しく過ごせるようになったのに、しばらく会えないことは、どんなに切ないことでしょう。オンライン授業への不安も少なくないことと思いますが、逆に私にもねぎらいの言葉を添えてくれる優しさと強さが心に沁みました。
オンラインの授業は、孤独な学びの時間になりがちですが、ネガティブな面だけではないといえるかと思います。
周囲を気にすることなく、深くじっくりと知識を吸収できる良さ、チャットなどで心置きなく質問ができるメリットもオンラインの良さかもしれません。教室での受講時と違って、先生のメッセージが直接、一対一で届けられるようで、緊張しつつも充実した時間を持てることもあるのでしょうか。振り返りシートで提出された内容から、学生の皆様が非常に深い学びをしてくれていることが分かって嬉しいと、何人もの先生方から声が届いています。先生方も授業準備に対面とは異なった、ときにそれ以上の努力と時間をかけてくださっています。
通学に要する時間を、じっくり本を読むなどで、日ごろの忙しさで見失いがちになっていたことに目を留めることに使えたらとも思います。
コロナ禍は私たちの暮らしに想定外の変化と不自由さをもたらしていますが、そうであればこそ、なにがあっても翻弄されることなく、むしろ困難に立ち向かうしなやかさと強さ・健さ(したたかさ)、そして、他者を思いやる心の大切さが思われます。常日頃、皆さまにお伝えしている「生涯就業力」を磨くチャンスにしていただけたらと願っております。
遠くない日に、キャンパスでまたお会いできることを心待ちにしております。どうかお元気で!!
5月のキャンパスの花々をお届けいたします。