留学生による日本語スピーチ大会がオンラインで開かれました
2021年07月26日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
今年も留学生による日本語スピーチ大会が7月15日に開かれました。
第4次の緊急事態宣言発令下のためオンラインでの開催となりましたが、対面で行ってきたこれまでと比べて、勝るとも劣らぬ素晴らしい大会でした。
二人の留学生(NGUYEN THI XUYEN NGUYEN THI XUYEN(スエン)さんと畢 芳穎さん)の流暢な日本語による共同司会で幕が開きました。それに続いて行われた12名の留学生たちによるスピーチは、それぞれが選んだテーマのユニークさとそこにこめられた熱意が画面越しにも伝わってきて、審査委員はじめ参加した教員や学生たちから大きな拍手と共に感動の声が寄せられていました。
当日は、1・2年生の留学生たちの卒業校である日本語学校から2名の先生方(フジ国際語学院の校長益尾夏子先生と岩谷学園テクノビジネス横浜保育専門学校渕上美恵子先生)も外部審査員としてご参加くださいました。かつて教え子だった留学生たちが堂々とスピーチをしている姿に大変感心し、また日本語の上達ぶりに目を見張っておられました。
留学生たちの日本語教育に携わっている志賀里美先生に、当日の概要と感想等についてメッセージをいただきました。
現在、恵泉女学園大学には、中国、ベトナム、韓国から来日した留学生がおり、彼女たちは2年間、大学の授業で必要な日本語を学ぶためのアカデミックジャパニーズの授業が必修となっています。そして、スピーチ大会は、必修授業の最終学年である2年生が、集大成として発表するという機会になっています。
今年は12名の2年生が大会に臨みました。3分という短い時間ではありますが、今、気になっていることや社会問題などについて調査し、それに対する自分の考えをPPTを用い、発表しました。
審査は日本語学校の先生2名と、本学の教員1名で行われ、「審査員賞」には日本語日本文化学科のリ天楽さん「公共図書館の現状と問題点」、「敢闘賞」には国際社会学科の郭佳雪さん「ベッドで仕事をすることによる影響」が選ばれました。
フジ国際語学院の校長益尾夏子先生
渕上美恵子先生
また、当日は多くの日本人学生もZOOMに入って聞いてくれたため、来場者にも審査員となって投票をしてもらいました。その結果、社会園芸学科の郭安寧さん「延命治療をする前にどのような事をするべきか」に「会場賞」が授与されました。
発表の時間が3分と短いため、調査内容を短くする工夫や伝わりやすくするための発音練習など、修正や練習、さらに、初のオンライン開催のために画面共有の仕方などのリハーサルを何度も繰り返しました。その過程は大変ではありましたが、その中で留学生たちの日本語力がさらに伸びていくことが実感できる瞬間でもありました。そして、発表当日には自信を持った顔で発表をする学生たちの姿を私たち教員も見ることができ、オンラインであっても開催をしてよかったと感慨深く聞いておりました。
残念ながら賞としては3賞しかありませんが、発表してくれたすべての学生にも参加賞を学校からいただくことができ、秋学期には直接渡せることを楽しみにしています。
1年生はスピーチ大会の司会や準備のお手伝いをし、来年度の自分の姿を想像するとともに、目標を立てる機会にもなったようです。「自分もあのように日本語をスラスラと発表したい」「もっと発音をよくしよう!」「わかりやすいPPTを作れるように、授業でがんばろう」という感想が寄せられ、学生たちの今後の成長が楽しみです。
最後になりましたが、授業の段階から学生を指導してくださった先生方、また準備に携わってくださった教職員の皆様にも心より感謝申し上げます。
志賀里美(日本語教育)