緊急のお知らせ

2023年03月22日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

2023年3月20日に開催された理事会において、2024年度以降の恵泉女学園大学・大学院の学生募集停止が決定されました。
18歳人口の減少をはじめとして社会情勢が大きく変化する中、入学者数充足の困難が続き、大学部門の金融資産を確保・維持することが厳しいという判断のもと、閉学を前提として募集を停止するという理事会の決断を、大学として苦渋のうちに受け入れざる得ないこととなりました。
これまで本学の教育活動にご理解とご協力を賜ってまいりました皆さまに心から感謝申し上げますと共に、この度、このようなご報告を差し上げざるを得ないことを深くお詫び申し上げます。

恵泉女学園大学は、1988年の開学以来、学園創立者河井道先生が女子教育にかけた理念と祈りを継承発展させる女子の最高学府として、その務めに励んでまいりました。

自然に恵まれた美しいキャンパスの中、小規模大学の特性を生かした丁寧な教育のもと、学生一人ひとりが自分の大切さに気づき、他者を尊重する心を育みながらしなやかに成長していく姿を間近に見ることができることは、これに勝る喜びはありません。

そうして社会に巣立っていった卒業生が、どこにあってもなくてはならない人として、それぞれの場で尊ばれていることも、私ども教職員の大きな心の支えです。
卒業生にとっていずれ母校がなくなる日が迫っていることを思うとき、言葉もありません。
恵泉で共に過ごし、学び合ったことが卒業生の心の中に末永く残ることを願います。

近年の国内外の情勢をみるとき、河井先生が目指された"「聖書」「国際」「園芸」の学びを礎として世界平和の構築に尽くす自立した女性"を育成する使命は、今、改めて求められているところと考えます。
女子大学としてその使命を果たすべく、ここ数年、力を注いでまいりました「生涯就業力」は、誰一人として取り残されない・取り残さない共生社会を牽引する新しい真の女性活躍に通じる力であり、これからを生きる女性の人生を確かなものとするという信念に揺らぎはありません。

多摩キャンパスでその継続発展を目指す道は、残念ながら来年度の募集停止によって閉ざされることとなります。
しかしながら新入生はじめ在学生をお預かりさせていただいております。
これまで私どもは与えていただいた学生一人ひとりに対して、どこよりも丁寧に向き合う教育に努めてまいりました。そうした本学の教育姿勢は変わることなく、これまで以上に一人ひとりを大切にする教育に専念いたします。そうしてすべての学生が恵泉女学園大学で学べたことに喜びと誇りをもって無事に卒業できるまで、教職員一同、4月以降も改めて心を一つにして全力であたらせていただきます。
そのご報告を大切にしたいと思いまして、4月からもこの「学長の部屋」は続けさせていただきます。

どうかこれからも皆様の見守り、お力添えをいただけますようお願い申し上げます。