平和と子どもたち、そして、恵泉の学生たち
2023年08月21日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
8月はいつにも増して、平和を考える月です。8月5日、本学の「平和紙芝居研究会KPKA(クプカ)」(顧問:岩佐玲子先生 教育学)と多摩市内の小中高校生が、「平和の語り部になろう!」という思いのもとに練習に励んだ紙芝居の上演会が、この7月1日にオープンした多摩市立中央図書館で行われました。
当日、司会を務めた山口優里さん(英語コミュニケ―ション学科3年)の冒頭のあいさつに、KPKAの活動とこの上演会に至るまでのことが、簡潔に紹介されていました。
KPKAは今から3年前、2020年に発足しました。恵泉女学園大学の理念である、「愛」「平和」「いのち」の大切さを、紙芝居を通して沢山の人たちと分かち合うための学生サークルです。
しかしコロナ禍の中で、1年間はほとんど活動ができず、存続も危ぶまれる状況にも陥りました。
そのような中、「地域の人々に笑顔を届け、身近なところから平和を創っていきたい!」という私たちの願いを、東京Ⅱゾンタクラブ様がお支えくださいました。
さらに、多摩市、多摩市教育委員会、紙芝居文化の会の皆様がお力添えくださり、励ましてくださいました。そのお陰で、2021年からはパルテノン多摩の「こどもひろばOLIVE 」で定期公演ができるようになり、保育園、図書館での活動も始まりました。さらに、昨年2022年8月には「多摩市子ども被爆地派遣」に同行させていただき、広島を訪問しました。9月には、ゆう桜ヶ丘平和展での発表の機会をいただき、「私たちは平和の種を地域に、そして世界に蒔きます!」と誓いました。その誓いの後、私たちはどうすれば次の世代に平和のバトンを渡せるかを考えました。
そして、昨年の12月から市内の小中学校への平和学習の出前授業をすることとなり「平和の語り部になろう!」プロジェクトがスタートしました。今回は、この3年間の活動の中で出会った小学生、中学生、高校生の皆さんと一緒に紙芝居を上演します。私たち若者が手を繋いで、戦争のない世界、みんなが安心して思いやりをもって生活できる社会を創るための一歩になれれば幸いです。
上演された紙芝居は、『みんなで ぽん』『よいしょ よいしょ』(以上 脚本・絵 まついのりこ)『二度と』『へんしーん 5つの合体』(以上 脚本・絵 松井エイコ)ほかでした。最後は、「幸せなら手をたたこう」(本学 第6代学長 木村利人氏作詞)を会場の皆で合唱いたしました。
会の終わりに、紙芝居の作者・松井エイコ様(壁画作家)が、紙芝居にこめた思いをご自身のお祖父様の戦争体験を通して紹介され、こうして若い世代が平和の大切さを語り継いでくれることが本当に嬉しいと、涙を浮かべて子どもたち一人ひとりと握手をされていました。
当日は多摩市長・多摩市教育長・多摩市の小中高の先生方と子どもたちの保護者、そして、KPKAの活動にご助成くださっている東京Ⅱゾンタクラブの方等、たくさんの方々が会場で学生と子どもたちの上演を見守り、惜しみない拍手を送ってくださいました。
なお、私は7月末~8月はじめに放送された「NHK夏休み子ども科学電話相談」に出演いたしましたが、その折、全く異なる角度からではありましたが、「子どもと平和」について考えさせられた嬉しい機会がありました。「うちゅうじんは どんなひとですか?」(小学2年生)という質問に対して本間希樹・国立天文学台教授 水沢VLBI観測所所長が平和の観点から回答していらっしゃいました。そのお答えが大変素敵でしたので、併せてここにご紹介させていただきます。
NHK子ども科学電話相談8月2日(8:30~11:55)⇒聞き逃し配信 9月28日11:50まで
握手をする松井エイコ様