子育て・家族支援者養成から地域共生社会人材養成へ
~NPO法人あい・ぽーとステーションと共に~

2023年12月18日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

本日は私が代表理事をつとめているNPO法人あい・ぽーとステーションの人材養成に関して、ご報告をさせていただきます。
NPO法人あい・ぽーとステーションは、市民・行政・企業・恵泉女学園大学との協働で、老若男女共同参画で子育て・家族支援と地域の育児力向上をめざした活動を2003年から行っています。
NPO法人あい・ぽーとステーション

法人が最も力を注いでいることの一つが地域の人材養成です。
2005年から開始した「子育て・家族支援者養成」は、港区・千代田区・高浜市をはじめとした7つの自治体で1900名余りの認定者が誕生し、2015年に厚生労働省の認定資格(子育て支援員)となりました。2013年からはシニア世代男性を対象とした子育て・まちづくり支援プロデューサー(愛称:まちプロ)養成を開始し(住友生命保険相互会社助成事業)、全国でも珍しい活動として注目されています。

子育て支援員さんやまちプロさんの活動を通して実感することは、私たちがめざすべき「だれもが健やかに生きられる社会」「誰一人として取り残さない・取り残されない社会」は、こうした地域の人々の参画によって創られた地域の中でこそ実現されていくことです 参考:大日向雅美・NPO法人あい・ぽーとステーション著
『共生社会をひらくシニア世代の子育て支援 子育てひろば「あい・ぽーと」2003~2021』
日本評論社 2021

本学には保育士養成課程はありませんが、子どもや子育て支援に関わる仕事に関心を持っている学生が少なくありません。「聖書」「国際」「園芸」の学びを子育てや家族支援を通して地域に活かさせていただく貴重な機会となると考え、かねてより港区と千代田区での講座に学生たちが参加させていただいておりました。2021年からは多摩市においても実施されることとなり、多摩キャンパスでの受講も可能となっております。 "子育て支援員研修"が多摩キャンパスで始まりました 『子育て支援員』講座についてのご報告&ご案内

さて、本日のご報告はこれまでの10数年のわたるNPO法人あい・ぽーとステーションの「子育て・家族支援者」と「まちプロ」活動の実践から、新たに「地域共生社会人材養成」へと駒を進めるべく、その第一歩を多摩市と高浜市で踏み出したことです。

多摩市では、『子ども・子育て支援の視点から始める新たな多摩の地域づくり』と題して、高浜市では『多様性・地域共生社会の中でのまちづくりと子育て支援』と題して、今秋、それぞれシンポジウムを開催いたしました。

多摩市 『子ども・子育て支援の視点から始める新たな多摩の地域づくり』

10月28日(土)
話題提供:広岡守穂(中央大学名誉教授)
鈴木恭智(多摩市役所子ども青少年部長)
堀 仁美(多摩市役所健幸まちづくり担当部長)
コーディネーター:大日向雅美

高浜市『多様性・地域共生社会の中でのまちづくりと子育て支援』

10月29日(日)
鼎談:吉岡初浩(高浜市長)・桃井和馬(恵泉女学園大学 教授)・大日向雅美

多摩市のシンポジウムには本学の学生たちも参加し、また高浜市のシンポジウムには本学の桃井和馬先生が「平和と国際理解」の観点から登壇してくださいました。
登壇者と会場参加者が一体となって、「自分にとって地域とは何か?」「そもそも共生とは?」
「今、自分たちが暮らす地域にもっとも求められているものは何か?そして、自分は何ができるのか?」等々、活発な意見交換がなされました。
共生社会の実現の必要性はかねてよりさまざまに言われていたところですが、それを地域の中にしっかり位置付け、一人ひとりが「まず自分から」の視点を大切にしながら他者のことを考えるといった、確かなまなざしと温かな空気に包まれたシンポジウムでした。

【多摩市でのシンポジウム】

【高浜市でのシンポジウム】

*多摩市・高浜市のシンポジウムの詳しいチラシはこちら 多摩市 ミニシンポジウムのご案内 高浜市 地域共生社会研修のご案内 *来春、講座修了時にもシンポジウムを開催する予定です。
多摩市(2024年2月10日(土)では阿部裕行市長と汐見稔幸先生(東京大学名誉教授・法人理事)・大日向雅美が、高浜市(2024年3月17日(日)では、吉岡初浩市長と権丈善一先生(慶応義塾大学教授)・汐見稔幸先生(東京大学名誉教授・法人理事)・大日向雅美が登壇予定です。

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