「多摩市子育て支援員」講座修了のご報告
2024年03月04日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
昨年10月に開講した「多摩市子育て支援員」講座の全課程を終えて、先月(2月10日)、修了式を執り行うことができましたので、そのご報告をさせていただきます。
この講座は、NPO法人あい・ぽーとステーション(代表理事 大日向雅美)が多摩市から委託を受け2020年度から開催しているもので、2023年度講座は4回目となります。受講生は阿部裕行多摩市長から厚生労働省の定める「多摩市子育て支援員」研修修了証を、また汐見稔幸本法人理事(東京大学名誉教授)から、法人発行の「子育て支援員」修了証書が授与されました。
本講座は4か月に及ぶ座学と実習、毎回のレポート提出が必須となっています。大学の授業と並行しての受講は学生たちにとっては大変だったかと思いますが、4名の学生が全課程を恙なく終えることができました。他の受講生は、地域ですでに保育者として活躍している方々やさまざまな社会経験をお持ちの方々ですので、そうした方々と共に学ばせていただけたことは、良い経験になったことと思います。社会人受講生の方々から、若い学生さんたちのフレッシュな感性が素敵で、刺激を受けることも多かった等のお声もたくさんいただきました。皆様に温かく見守っていただけたことは有難いことでした。
修了式には多摩市子ども青少年部長はじめ子育て支援担当の方々がご列席くださり、本学からも舘野英樹事務局長と講座での学生指導に尽力くださった丸橋亮子先生が列席いたしました。また多摩市保育協議会会長福島真氏と多摩市保育園園長会会長 山口明日子氏から、修了生のこれからの活動に向けて期待をこめた温かいエールが贈られました。
修了式の後は、阿部裕行市長と汐見稔幸理事と私の3人のミニシンポジウムとなりました。テーマは「子ども・子育て支援の視点が見出した新たな多摩の地域づくり~共に学び・創る健幸都市多摩と地域共生社会~」。シンポジウムには修了生の他に、地域の方々も多数ご参加くださいました。
阿部裕行市長からは多摩市の子育て施策をどのようなお気持ちで推進されているのかについて、育児休業も育児支援もまったくといってよいほどになかったご自身の子育て時代に、育時連(「男も女も育児時間を連絡会」)を立ち上げられた経験から語ってくださり、多摩市の施策推進にかける熱い思いが会場に伝わっていきました。汐見稔幸理事からもほぼ同じ時代を生きた経験から、あい・ぽーとの子育て・家族支援者養成の意義がいかに大きいかについてのお話がありました。
会場からは、子育て支援の必要性を十二分に認めたうえで、それを子育てにととまらず、介護やさまざまな課題を抱えている方々への支援へと展開していく必要性についての質問もいただき、共生社会への展開へと話が弾み、それも含めて日本社会の教育が内在している問題を今こそ真摯に検討する必要性等についても語り合われました。
最後に、汐見稔幸理事から社会の変化に応じて仕組みも変えていく必要性と共に、正解が一つではないことを問い続ける大切さが、阿部裕行市長からは、「多摩市協創推進室創設」のご紹介を通して、地域をあげた子育てから誰ひとりとして取り残さない共生の街に向けて、簡単にできることではないからこそ、皆で篤いを結集して取り組んでいきたいという心強いメッセージをいただきました。
「子育て支援員」修了式に続いて限られた時間でのミニシンポジウムでしたが、これから多摩市で活躍する修了生はもちろんのこと、地域からご参加くださった皆様に大きな力と励ましをいただけたひと時になったことと思います。
【修了式】
【ミニシンポジウム】
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