2024年7月 8日
社会・人文学会開催のご報告
2024年07月08日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
今回は先月末に開催した2024年度『恵泉女学園大学社会・人文学会』総会についてのご報告です。本学会は「文化と社会にかかわる現象を総合的に研究すること」を目標に、学生と教職員が共に作り、運営も教職員・学部学生・大学院生の委員によって行われている本学独自のものです。
総会の第1部では「2023年度活動と決算・監査」と「2024年度の活動計画と予算」についての報告が、第2部では谷口稔先生(本学人文学部客員教授)による講演「新渡戸稲造の植民思想」が行われました。
谷口稔先生は新渡戸稲造研究で、横浜国立大学大学院国際社会科学府より、2018年に博士号(経済学)を取得されています。博士論文のタイトルは『新渡戸稲造の人格論と社会経済思想』で、博士論文は 『新渡戸稲造 人格論と社会観』(鳥影社 2019年)として上梓されています。
講演では、新渡戸稲造をめぐるいわゆる通説(「光と影」(光:教育面での高い評価/影:台湾における植民政策への協力)に対して、非常に鋭く、かつ明晰な反論が展開され、会場の参加者たちは深く胸を打たれました。真摯でかつ、研究者としての品格に充ちた谷口稔先生の新渡戸稲造論を、限られた紙面で紹介するのは到底難しいことに思われますが、その骨子について、無理を承知でメッセージを依頼いたしました。下記、お読みいただければ幸いです。