春休み中の学生たちの海外研修
2025年02月17日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
全国的に厳しい寒さが続いています。2月に入って、各地の大雪被害がニュース等で伝えられています。日々の暮らしの不自由さと危険と向き合っていらっしゃる方々に、心からお見舞いを申し上げます。
多摩キャンパスは、今、春休みに入って、学生の姿はまばらです。
国内外での活動等に励んでいることと思います。
この期間の学生たちの海外での活動(語学研修フィールドスタディ)は以下の通りです。
- 韓国語学研修(韓国・梨花女子大学) 1/31~2/18 8名
- チチェスターカレッジ英語研修(イギリス・チチェスターカレッジ) 2/15~3/16 1名
- 東アジアFS(韓国・ソウル) 2/18~2/28 10名
- カリフォルニアFS(アメリカ・サンフランシスコ) 2/24~3/4 5名
- タイ国際ワークキャンプ(タイ・パヤップ大学) 2/11~2/18 11名
本日は、このうち「韓国・梨花女子大学での韓国語学研修」について、引率の李泳采先生から報告が届きましたので、ここにご紹介させていただきます。
李泳采(国際交流委員会委員長 専門:国際関係 日韓日朝関係)
韓国梨花女子大学での韓国語短期語学研修は、梨花女子大語学教育院との協定に基づいて約20年近く実施している。今年は8人の恵泉学生が参加した。
到着の初日(1月30日)からソウルは大雪が降り、梨花女子大キャンパスが白い雪で覆われた。とても寒く、初めての梨花での研修活動に学生たちの表情は少々緊張していたが、寮のチェックインを終えてキャンパス周辺を歩いているうちに少しずつ明るい表情に変わっていった。
今年は昨年とは異なり、語学研修に参加する全学生が山頂にある梨花の在学生寮を使うことになった。語学教育院付近の寮はリニューアル工事があるためである。山の頂上での寮生活は不便かなとも思っていたが、梨花女子大学生と一緒の空間で生活するのは様々な交流も期待でき、新鮮な側面もあると思われた。
翌日(31日)は天気も晴れて、キャンパスツアーとソウル市内案内を行った。
梨花女子大学キャンパスは従来の運動場を改造して学生福祉施設とショッピング施設を作って現代式キャンパスに変わり、観光地としても有名である。寒い冬でも学校キャンパス内でショッピングと学習がすべて賄える仕組みだ。映画館、劇場、カフェ、書店、学校の記念品販売店など学内施設はキャンパスというよりは、一つの街をイメージ化している。
旧正月の連休でもあり、ほとんどの食堂が休業しているなかで、ある庶民食堂に入った。初めての韓国食堂なのに、アプリを利用して、翻訳をしながら注文をしている学生らの様子に、若者の文化への適応力を改めて感じた。
食後、キャンパスを改めて一周してから学校の全体構造が把握できると、みんなホッとした様子でもあった。学生食堂周辺を歩いたら、恵泉の園芸を導入したグローバル&共生の園芸施設がそのまま残っていた。恵泉の園芸と平和の教育が今の梨花の中で成長していることを目のあたりにすることができた。
午後は、電車に乗ってソウル市内の中心である市庁駅に到着した。ソウルは、北は山、南は南大門と漢江に囲まれた盆地だ。 24時間ファッションの街である東大門、昔から中国と外国人使節が入ってくる西大門を合わせて、三つの入り口で構成されている。冬でも多くの外国人観光客がソウルを歩き、訪問する様子に出会うこともできた。
日曜日(2月1日)には自由時間をもってそれぞれ授業準備をしたり、洗濯をしたりしながら、寮生活に慣れる時間となった。
月曜日(2月2日)の午前に入学式が行われ、続いて授業が始まった。今年も全世界で150人余りの学生が梨花の短期語学研修に参加していた。語学教育院の先生たちは、恵泉と20年余りの交流があり、終始親切に笑顔で歓迎してくれた。今年の参加学生には2年生が多かったので、心配もしていたが、半分以上が、中級以上のクラスに入っており、本学学生の韓国語の実力が非常に高いことを実感した。
初日の授業が終わってから、一緒に校内学生食堂で食事をしながら、各自のクラスに対しての感想を聞いて、レベルも一緒にチェックをした。特に問題なく、みんな現在のクラスレベルに満足しているという。梨花の場合、レベル1でも10クラスがあるほど、そのレベルの区分は細かくなっている。
私は日本の生活が長いためか、韓国人でありながら、辛いものを食べると時々お腹が痛い。しかし、学生たちは私よりも辛いものをよく食べ、ご飯の量も倍以上だ。新しい文化と言語取得への情熱が、新しい環境への緊張感をはるかに凌駕しているようである。
2月3日は学内オリエンテーションがあり、学生証が発給され、図書館をふくめて学内すべての施設で在学生同様の施設利用が可能となった。今年も充実した授業のほか、ミュージカル公演、テコンドー体験、姉妹校の恵泉学生たちへの特別授業(在学生との交流会)など様々なプログラムが用意されている。
*今回の研修は2年生が多く、中には初めての韓国で、両親や家族から離れて2週間の生活をする学生もいる。語学研修は語学だけでなく、K-POPや映画、ドラマなど韓国文化や言語に触れることを通して、女性や若者の自立を試すチャンスにもなっている。研修先の大学や周辺環境、ソウルでの移動等に不安なく臨めるよう、引率に心を尽くした。参加した学生たちが無事に全過程の研修を終えて、有益な体験となることを願っている。




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