2020年2月25日 の記事
「タイ・カンボジア短期FS」ブログ更新しました。④「カンボジアの小学校と村」
2020年02月25日
2月14日、FS6日目の朝、ヒロタチュムコップロメヤス小学校へ訪れました。ちなみにロメヤスは動物のサイという意味です。ロメヤス小学校は生徒総数144人(男子66人、女子78人)の小さな小学校です。珍しいことに男の子が少なく、農繁期に駆り出されることにより途中でやめてしまう子が多いことが原因ではないかと考えられています。先生は7人しかおらず、先生1人あたりにつき2クラスを掛け持っているそうです。また、プラン・インターナショナルというNGOによって、朝食が提供されています。
さて、学校に着くと門からずらっと子どもたちが出迎えてくれました。みんな元気いっぱいで早く遊ぼうと言わんばかりの表情をしていました。中にはハイタッチをしてくれる子どももたくさんいて、わたし自身の緊張がほぐれました。校庭に入ると、生徒たちがクラスごとに並んでアラピヤという歌を披露してくれました。この歌はFS初日にガイドの方から教わっていたので、私たちも一緒になって歌いました。その後、先生の挨拶、一年生の山崎さんが代表として挨拶をした後で、一人一人が挨拶をしました。クメール語で名前を言い、日本語で自分の好きなものや特技を各々に言いましたが、中には全てクメール語で自己紹介をしていた人もいて、私ももっとクメール語を覚えておけば良かったなと少し後悔しました。
自己紹介を終えて、私たちが生徒たちに向けてパプリカを披露しました。一度私たちが踊った後、生徒たちにサビの振り付けを教えて一緒に踊りました。わたしの向かいにいた女子生徒が、笑顔で一生懸命に真似してフリを覚えていてとても可愛らしかったです。その後、5、6年生と下級生にわかれて交流しました。5、6年生は教室でクイズを、下級生は校庭で遊びました。私は5、6年生を対象に行うクイズの担当で、私たち日本の文化や暮らしについてのクイズを出題しました。クイズで、日本人が生卵や生魚を食べると知った時、子どもたちはとても驚いていました。そんなに驚くんだなぁと食文化の違いを改めて実感しました。クイズをやってくれた5、6年生にはメダルをあげたのですが、みんなメダルを貰えて、すごく喜んでくれていました。ちなみにこのメダルは私たちメンバーのうち1年生たちが夜通し作ってくれたものです。ありがとう!
クイズも終わり、5、6年生も外に出て一緒に遊びました。校庭に出ると早速あちこちに散らばって、大縄跳びをしたりサッカーをしたりしていました。よく見てみると女子は折り紙で遊ぶ子が多く、サッカーやバレーなどは男子が多かったです。私は6~7人くらいの子どもたちとバレーをしましたが、子どもたちの体力や元気さに圧倒されました。この日の夜はとても疲れて、ベッドに入ってすぐ眠りに落ちてしまいました。楽しい時間はあっという間。子どもたちとお別れの時間になって、来た時と同じ様に子どもたちが門までずらっと並んでくれていて見送ってくれました。なんだかとても寂しく感じました。
午後は、もう一つ別の村を訪問しました。到着すると歓迎のヤシの実ジュースを頂きました。味は少し薄いかなと感じましたが、飲んでいくうちに慣れてきてとてもおいしく頂きました。続けての昼食は、生姜焼き、鶏肉のスープ、空芯菜でした。この村で食べた料理は本当に美味しくて、なかでも空芯菜は最高で絶品でした。
昼食を終えると村全体が長いお昼休みといった感じで、私たちも村人と同じようにハンモックで昼寝をしました。ゆらゆらと揺れて、昼寝には最適です。耳元で村人が二胡で伝統音楽を奏でてくれて、とても贅沢な時間でした。私も二胡を弾かせて貰いましたが、うまく音が出ず難しかったです。ゆっくりと流れていく時の感じが、とても心地が良かったです。
昼休みの後は、村を牛車で散策しました。日本ではあまり見かけない乗り物なので、ワクワクして冒険へ出かける気分。最初に訪れた村のお寺は、外観はクリーム色でシンプルですが、5頭のナーガに導かれるように中に入るとたくさんの色が使った伝承物語が壁面いっぱいに描かれていました。また、中の空気は蝙蝠の糞の匂いと静けさが入り混じり合った複雑な感じで、そこに私たちが捧げたお線香の香りが漂って妙な落ち着きを感じました。
村をひと回りして最後に訪れたのは、村のヤシから砂糖をつくっている農家さんでした。ヤシの木を昇って採った汁を煮詰めた自然の砂糖は、色も茶色で蜂蜜みたいでした。まだ加工中のものを試食させて貰いましたが、ただ甘いだけではなく、くどくなく、ヨーグルトに入れると美味しいと聞いたので自分へのお土産に1つ購入しました。
FS5日目は"体験"が主でした。午前中は子どもたちとたくさん遊んで笑顔に癒されて、午後は村でまったりとした時間を過ごしました。異文化を体験することは、これまでほとんどなかったので、とても刺激的な1日となりました。特に村での時間の流れが日本と違うということを実感しました。こういうことは実際に体験しないとわかりません。日本に帰ってから、改めて自分に合った時間の使い方を探していこうと思います。
(英コミ2年/濱口亜未、国際社会1年/渡邊怜美)
「タイ・カンボジア短期FS」ブログ更新しました。③「子どもの貧困とNGO(JLMM)の活動」
2020年02月25日
2月12日、FSも4日目になりました。カンボジアでは30度を超える暑さが続いています。
この日の午前中はJLMMという施設に訪問しました。ここには近くにある、ゴミ集積場周辺に暮らす人々の生活向上支援のために、母親に仕事を紹介したり、仕事をしている母親のために子供たちを預かる施設があります。JLMMがある地域は比較的貧しい地域とされており、ここで働く人は主に田舎で農業を営んでいた人々が、都会に出稼ぎにきてゴミ拾いの仕事としている人や朝早くから縫製工場で仕事をしている人が多く住んでいます。親世代には、内戦により学校に通えなかったため、読み書きができない人が多くいます。学歴がないため、ゴミ拾いを仕事とするしかなく、その結果貧困に陥ってしまうのです。また、共働きをしていないと生活が困難な家庭が多く、子供たちは親が仕事している間、親戚に預けられるか、放置されてしまっています。こうした様々な要因から、親たちは子どもの教育に興味がなく、子どもを労働力として見てしまうために、学校に通い始めても、途中で簡単に辞めさせられてしまう子が多くいるのです。学校を辞めてしまう理由は学校側にもあり、勉強を教えてくれる先生にあまり教育熱心な人が少なく、子どもたちは学校が楽しくなじくなり家で遊んでいた方がいいと思ってしまうケースがあるそうです。そこでJLMMでは幼児教育に力を入れていて、学校が楽しいと思ってもらえるように、月曜日から金曜日までの午前中にこの施設で子どもたちに学んでもらっています。施設には3つのクラスがあり、鉛筆の持ち方や線の引き方、保健衛生、道徳、クメール語、読み書き、足し引き算などをそれぞれ年齢ごとに分かれたクラスで学んでいます。途中で学校を辞めてしまっても、ある程度勉強が出来るようにするためです。また、子どもたちには栄養改善のために、給食と豆乳も提供しています。
子供たちの教育の他にも、JLMMはお母さんたちの教育にも力を入れています。「お母さんが変われば家族が変わる」をコンセプトに、仕事の提供や、栄養改善セミナー、保健改善セミナーを実施しています。まず、JLMMは母親に仕事を提供することに力を入れています。父親ではなく母親に仕事を提供するのは、父親は稼いだお金で遊びに行ってしまうことが多いからだそうです。提供する仕事には、秋田のババヘラアイスをHappy Iceと改称したアイスの屋台での販売や、ロッティーと呼ばれるタイで人気のクレープ状のお菓子を販売する仕事があります。屋台販売なら学歴も要らず、少量の資金で始めることが出来るからです。頑張れば頑張るほど稼ぐことができ、平均して月200ドルから300ドルを稼ぐことができるそうです。
また、栄養改善セミナーでは、朝ごはんの大切さや、噛むことの大切さ、母乳の大切さ、乳幼児の大切さを教えています。カンボジアには家庭科と保健の授業がないため、栄養について知る人がほとんど居ません。また、塩辛いご飯が多く、お肉は高額で買えないため、タンパク質の摂取が少ないので、糖尿病や血管に疾患を患ってしまう人が多くいます。そこで現在、JLMMでは「おから」に注目をして、おからを使ったレシピを教えています。おからは豆乳の絞りカスからできる、高タンパク、低糖質な食材なので、生活習慣の予防、改善に適しています。一般に、カンボジアではおからを食べれる物だと思われていないので、捨ててしまう人が多いそうです。そのため、日本から専門家をよび、カンボジア人向けにアレンジしたレシピ、例えばおからチャーハンやお好み焼きなどを開発して教えているのです。また、母親向けには、衛生的な生活の大切さを理解してもらう「お母さんセミナー」も設けているそうです。JLMMは子供たちへの教育だけでなく、母親への教育も力をいれています。カンボジアでは、内戦と貧困から健康や衛生について知る機会が乏しかったため、今このようにして学ぶ機会があることは大きな進歩だと思います。
午後、シェイムリアップに移動し、翌日はアンコールワットを見学しました。しばし、勉強から離れ、カンボジア観光を楽しみました。
(国際社会2年/櫻井香里、国際社会1年/佐藤百華)