「タイ・カンボジア短期FS」ブログ更新しました。②「二つのNGOs(DC-cam、Friends)に見るカンボジアの未来」
2020年02月24日
2月11日、3日目の午前中はDC-camに訪れることから始まりました。DC-camとは、今年で創立25周年目を迎えるNPO団体です。元々はアメリカのイェール大学の研究プロジェクトだったそうで、団体の使命は正義と記憶のためにクメールルージュ時代を調査し、記録することです。事務所には白黒の写真や絵画や書籍が展示されていました。始めにそれらを見る時間があり、個人個人で見ました。写真は白黒でしたが、見ていると当時の状況や想いを馳せることが出来ました。
次に職員の方にこの団体についての説明を聞きました。設立理念から団体の現状までたくさんの話をしてくれました。まて、別の職員の方こらの話からは、クメールルージュ時代に女性ご置かれていた状況について話してくれました。特に、印象に残っているのは、「合法なレイプ」とも言える"集団結婚"についての話でした。集団結婚とは、住民達が男女一列ずつに向かい合って座らされて結婚させられ、その後は子供を作らないと殺される、というものです。女性にとってレイプとは大きな問題であり、当時の女性たちの想いや状況を考えるととても胸が痛みました。レイプは身体的にも精神的にも大きな苦痛を与えるのだと改めて感じさせられました。クメールルージュ時代から残された課題は、他にもまだ多く残っており、戦争の残した傷痕の深さを実感しました。
午後はFRIENDSという子ども支援のNPOを訪問しました。FRIENDSは、子供たちの人権をベースに活動している団体です。1994年に設立されましたが、設立の経緯はストリートチルドレンの物乞いに対し、寄付しても問題が根本的に解決されないことがきっかけだったそうです。FRIENDSの活動の柱は7つありますが、その根底には子どもたちの問題が根本から解決するまで長期間関わることを前提とし、子供たちの未来のプランまで考え行動するということが共通してあります。そのため、FRIENDSは子供たちだけでなくその親までも職の提供など、支援対象としているのです。私たちは、それらの活動のうち、雑誌を再利用したクラフト【ブレスレット)作りを体験しました。これは廃品の再利用に加え、簡単な作業なので、学歴や特別なスキルがない人でもできます。実際に体験してみましたが、確かに簡単に作れ、コツを掴めば丁寧かつ速くより多くのものを生産することができるだろうと感じました。
また、レストランで出すカクテル作りも体験しました。最初は4グループに分かれ、与えられたレシピ通りに作った後、次にオリジナルのカクテル作りに挑戦しました。その際に、FRIENDSが掲げている7つの柱の中から1つを選択し、それをモクテルで表現するというお題が与えられました。この体験のねらいは、子どもの人権を守る活動の柱をより深く考え、理解することですが、実際にやってみて理念の意義を改めて感じることができました。
(国際社会1年/中村有紗、山本莉奈)