2月12日「山と村の持続可能な暮らし」

2023年02月20日 

私たちは村人が農業を行い、現金収入となる蜂蜜の栽培をしている山を登りました。
今回登ったルートは最近作られたものだったので、道が狭く草木が生い茂っており、人が1人通るのもやっとの場所でした。
その山の畑は日本の一般的な平面で作られる畑とは違い、急斜面の山の上に作られていました。タイの農業では、傾斜15度以上で農業をやってはいけないという法律があり、森林保護地区なので焼畑も禁じられていますが、決まりができる以前から村人たちは山の斜面を使った焼畑農業を生活の一部として暮らしてきたのと、村人間のルールに沿って農業を行っている為、懸念されるような森林破壊などに繋がることはありません。

タイの多くの村では、現金収入になる現代農業に移行しつつありますが、ヒンラートナイ村だけは昔から引き継がれてきた農業の形を大事にし、わずかに蜂蜜や紅茶の栽培を行って現金収入を得ています。

私はこの山登りを通して、ヒンラートナイ村の人々が自然と共に生きていることを実感しました。必要最低限しか現金収入を得ず、自分たちが暮らしていくのに十分であればそれ以上に畑を耕したり、蜂蜜を取ることはしないというのが自然破壊を防ぎ伝承されている要因なのだと思いました。私たち日本人は便利な物で溢れた世の中ですが、その便利なものを生産するにあたって自然を破壊し、自分達の暮らしを脅かしていることを再認識し、自分の必要以上に物を消費したりしないなどヒンラートナイ村の人々の暮らしから学んでいかなければいけない事は沢山あると感じました。

(国際社会学科4年 小泉璃央)