小栗旬さんって誰ですか?

2022年01月19日

Ken Fujioka 先生

皆さんはこの方をご存じでしょうか。

彼は日系アメリカ人で私のゼミの先生です(^^♪
Ken先生の授業では、世界中で存在している「偏見・差別」について学んでいます。主に、日系アメリカ人が直面した苦悩や葛藤についての分厚い資料を読んだり、展示会に行き理解を深めたりしています。

しかし、Ken先生はただのゼミの先生ではありません。

すごい経験の持ち主で、私の尊敬する先生の一人です!

なんとKenは、テレビドラマの翻訳や俳優さんに英語の指導をしたことがあるんです!私は、ドラマの裏側に興味があったので、Kenに直撃インタビューをしてみました★

2019年に公開された小栗旬さん主演のテレビ東京開局55周年特別企画のスペシャルドラマ「二つの祖国」(原作 山崎豊子)で、Kenは英語監修として携わっていたそうなので、そのことについていくつか質問させて頂きました!

--私

「二つの祖国」というドラマで、Kenが英語指導した俳優さんは誰ですか?

--Ken

主に直接英語の指導をした俳優さんは、ドラマの主演であった小栗旬さん、ムロツヨシさん、多部未華子さん、そして仲里依紗さんです。小栗さんは、とても熱心な方で英語の練習を沢山していました。撮影時には、彼の英語はかなり上達していて、発音とイントネーションがとても良かったので、私の「手厚い」指導など必要ありませんでした。
彼の英語はとてもナチュラルでしたが、ムロさんはもう少し練習が必要でした(笑)
でも、ムロさんは凄くポジティブで人を惹きつけるような魅力的な人でした。

また、新田真剣佑さんにも英語指導をしましたが、彼はアメリカのアクセントをすでに身につけていました。

他にも様々な俳優さんが英語で対話するシーンがあったので、彼らの発音の指導をしました。

--私

どのように彼らの英語指導をしましたか?

--Ken

撮影前の最初の段階では、台本のセリフを翻訳しました。翻訳した後は、プロデューサーさんに「レコーディングスタジオに行っていただけますか?」と言われ、レコーディングスタジオまで誘導されました。俳優さんが英語の練習ができるように、ドラマのセリフをゆっくりと、また自然に読み上げました。そして、レコーディングされたCDは俳優さんに渡されました。

撮影時には、直接発音とイントネーションを伝えました。人と話すシーンでは自然な話し方も重要です。例えば、英語で叫ばなければいけないシーンやシリアスな会話の場面では、その場面に合った話し方や発音をしなければいけません。なので、英語での自然なやりとりを目指しました。みなさん、それは熱心に取り組んでいましたね(照)

--私

とても貴重な経験ですね!ところで、「二つの祖国」というドラマはどういうお話なんですか?

--Ken

このドラマは、日系アメリカ人のお話です。小栗旬さん演じる天羽賢治は、アメリカに生まれ、日本でも教育を受けた「帰米二世」です。第二次世界大戦中は日本をよく知るアメリカ人として敵国日本の暗号解読など、陸軍情報部に協力します。それは彼にとって心苦しく困難な経験でした。なぜなら、彼の国籍はアメリカですが、それと同時に日本人でもあるからです。第二次世界大戦後には、戦犯を裁く東京裁判で通訳者として働きました。

「二つの祖国」を持つ日系アメリカ人の苦悩や葛藤が描かれている作品です。

--私

なるほど、とても興味深い内容です。そのような素敵な作品に携わることになった経緯を教えて頂けますか?

--Ken

メールが来たんです!ある日突然、ドラマのアシスタントが欲しいというメールが来て、最初見た時は、迷惑メールかな?と思いました(笑)だって滅多に無い事だから!(笑)。「翻訳のお手伝いをして頂けないでしょうか?」という内容だったので、「はい、お手伝いさせて頂きます。」と返事をすると、プロデューサーの方々が恵泉に直接挨拶をしに来てくれました。そして、「翻訳の仕事と俳優さんの英語指導をお願いできますか?」と言われました。

「ドラマの主演は誰ですか?」と聞くと、「それはまだ内緒です。」と言われ、しばらくの間は知りませんでした。いよいよ撮影が始まるという頃になってやっと、教えていただけました。「主演は・・・小栗旬さんです。」



「小栗旬さんって誰ですか?」

私は、彼を知らなかったのでポカーンとなってしまいました(笑)
でも、私の奥さんは彼の名前を聞いてとても喜んでいましたね(笑)

--私

小栗旬さんを知らなかったんですね(笑)

--Ken

はい、初めて聞きました(笑)

--私

そうなんですね(笑)このようなお仕事は前にも経験したことはありますか?

--Ken

このドラマが初めてでした。私は初めて俳優さん、カメラマンさん、スタイリストさん方を目の当たりにしました。服や靴を準備する方々もいましたね。また、セットはとても詳細に作られていて、モデルとなる場所を本当によく調べているなぁと思いました。

--私

そうなんですねぇ!ちなみに、「二つの祖国」が終わった後は、何か他の作品に携わったことはありますか?

--Ken

「マンゴーの樹の下で」というドラマに携わりました。NHKのドラマです。俳優さんのセリフを翻訳しました。少しの英語のセリフを作るのにけっこう時間がかかりました。テレビを見てみると時々、「あ!この俳優さん覚えてる!」とその時の情景が思い浮かびます。嬉しい経験をさせていただきました。

--私

こういったお仕事は今後やっていきたいですか?

--Ken

定年退職したらやっていきたいです(笑)大学の教員の傍らでこういった仕事をするのはとても大変です!忙しすぎたので、退職した後ならやっていきたいですねぇ。

こんな感じでインタビューは終了しました!英語指導をする過程や撮影の裏側も聞くことが出来たので、とても楽しいインタビューでした。

色々な職業がありますが、世の中何がどうつながるか分かりません。目の前のことに全力で取り組めば、思わぬご縁に繋がるんだなぁと改めて思いました。

それにしても、小栗旬さんを知らないのは驚きですよね((´∀`*))

Kenはいつも笑顔で、とてもユーモアがある先生です!
「どんな先生なんだろう・・・」と思った方がいらっしゃったら、是非恵泉のホームページを覗いてみて下さい!

★インタビューの裏側★

ちなみに、こちらは実際の台本です ((´∀`*))
初めてドラマの台本を見て、少し興奮してしまいました((´∀`))