恵泉女学園大学

ジョセフィーヌが愛した花、バラ

2006年05月22日

5月と言えば、バラが最も美しい季節ですね。
今日はバラに関するお話をひとつご紹介しようと思います。

皆さんはナポレオン一世妃ジョセフィーヌをご存知ですか?
彼女はナポレオン一世と結婚し、パリ郊外のマルメゾンにある館で暮らしますが、子供ができなかったためか、十数年後に二人は離婚してしまいます。離婚後も彼女はマルメゾンの館で暮らしていましたが、そんな彼女が生涯をかけて、最も愛した花、それがバラなのです。

バラというと、ヨーロッパ、それもキリスト教圏の花というイメージを持たれる方も少なくないと思いますが、実際はイスラム圏の原種と中国や日本といったアジアの原種が交配を繰り返されて、今日のバラがあります。そして、その礎を築いたのがジョセフィーヌなのです。彼女がマルメゾンの館に世界中からバラを集め、お抱えの園芸師が品種改良に取り組んだのを機に、バラの品種は一気に増えていきました。

彼女が生きていた時代と今とでは、作られているバラの品種も大きく異なり、不可能とされていた青いバラも、遺伝子組み換え技術により開発されましたが、彼女は夢の中で、いったいどのようなバラの花を咲かせていたのでしょうか。
バラの花を眺めながら、そんなことを想像してみるのも楽しいものです。


人間環境学科助教授 樋口幸男
担当科目:園芸概論 人と植物の関係学 他

写真1 トルコからコーカサス地方原産のバラ、ガリカローズ
写真2 原種の中で唯一四季咲き性を有する中国原産のコウシンバラ
写真3 ナポレオンの名を冠した品種、'シャポードナポレオン'
写真4 青いバラを夢見て、交配により作出された品種'ブルームーン'