カジノから、アメリカ研究へ
2006年07月24日
アメリカ合衆国・コネチカット州の森の中、フォックスウッズには、全米最大級のカジノなどの娯楽施設群が広がっています。
実は、これらの施設は、かつてイギリス人入植者によって虐殺の対象となったインディアン(先住民)の一部族、マシェンタケット・ピーコット族が運営するものです。彼らは、その利益などを活用しつつ、全米で有数の博物館や研究施設を運営し、自らの独自の文化の復興に努めています。 アメリカを作った移民たちの抱いてきたアメリカン・ドリーム。しかし、その夢は、インディアンの犠牲のもとで実現したものでした。そして、現在、低所得や高失業率などに悩むインディアンの部族の多くが、賭博を利用してその復興を模索しているのです。
一見勉強とは無関係に見えるカジノ施設のような事柄から、その背後に潜む政治的かつ歴史的な意味を探り出す能力を養い、そこから現代アメリカの光と影の双方を学んでもらいたいと考えています。
国際社会学科専任講師 漆畑智靖
担当科目:国際政治学、国際関係基礎演習(国際政治とアメリカ)など