恵泉女学園大学

生活園芸Iで栽培する野菜シリーズ(3)キュウリ

2006年09月19日

5月上旬の晩霜の心配がなくなった頃、生活園芸Iでは、畑にたっぷり牛糞や鶏糞を入れ、キュウリの苗を植えつけます。

キュウリは、インド北西のヒマラヤ山麓地帯が原産のウリ科の野菜です。日本には1000年ほど前に渡来しました。果実の約94%が水分で、栄養分はビタミンCとAがわずかに含まれているだけです。

しかし、特筆すべきは、お肌の保湿成分を含有しているということです。これはウリ科の野菜の特徴のようで、同じウリ科の「ヘチマ水」はあまりにも有名です。ということもあって、キュウリは本学の学生に人気で、収穫の時のうれしそうな顔に私も思わず感激しています。

ただし、キュウリの生長は意外と速く、1日に3cmも伸長します。キュウリの花は、雌雄別々、雄花と雌花に分かれますが、雌花が咲いたら1週間で20cmに達するのです。ですから、うっかり取り忘れると30cmにも生長し、「ヘチマ」と間違ってしまう学生もいます。

収穫したキュウリは、新聞紙にくるんで自宅に持ち帰り、新鮮なサラダや浅漬けに、また中華風で家族の会話も弾みます。恵泉の園芸は、栽培から料理まで実に幅が広いのです。

園芸文化研究所助教授 藤田 智
担当科目:生活園芸 I、公開講座など

写真1:収穫適期のキュウリ
写真2:キュウリの雄花
写真3:キュウリの雌花