恵泉女学園大学

2007年7月 9日

最近気になったニュース その1

2007年07月09日

「こびょうりがく」って知ってた?

年金問題に都心の温泉施設の爆発、大手の事業者や学校の異常経営、そして食肉偽装問題、驚いたり呆れたりのニュースに事欠かない毎日だ。

でも、希望を捨てずにいると、こんな感動を教えてもらう社会でもある。

「古病理学」という学問があるそうだ。古代の人々の病気や障害を本物の人骨で研究するのだという。

先日、経済紙の夕刊一面に載ったその囲み記事によると、縄文の昔にさかのぼる北海道の貝塚から出土した「十分な筋肉もついていなかった」二十歳前後の人骨から、その病気がどうやら判ってきたらしい。

門外漢の私には、この当たりの詳しいことはパス。それでも、これを記事にしてくださった都の老人総合研究所の先生に教えられた。
「とても命を永らえることはできなかった」この若者を十数年も手厚く介護していた人々が周囲にいたことまで骨が伝えている、と。

目が熱くなった。私の専門は歴史。文字に残る史料を読む。世の中には、「骨」を読む人がいることを知った。

人は死んで骨になって終わり、なのではないとすれば、これはエライことだ!





人文学部 文化学科 准教授 杉山圭以子
担当科目;比較文化論、文化史研究など。専門はインド史。