恵泉女学園大学

最近気になったニュース その3

2007年07月23日

運命は創るもの

台風に地震。天災のニュースに明け暮れた一週間でした。

その中にあって、大リーグ、オールスター戦で、MVPの栄冠を獲得し、世界一のプレーヤーに輝いたイチロー選手の活躍は一服の清涼剤になりました。

試合後、「今日は、3本のヒットが出ましたが......」という質問に「出ましたじゃなく、『出しました』。全然違います。」というやりとりがインタビュアーと何回か繰り返されました。そして、球宴史上初のランニングHRについて聞かれると、イチロー選手は「そうなんですか。僕にとっても初めてなんですよね。オールスターで『出る』なんて。」と答えています。

ヒットは意志として「出す」ものだが、結果としてのランニングHRは偶然「出た」ものだと、「意志と成り行き」、「必然と偶然」とを強く意識して、使い分けています。

また、それに先立つ一週間ほど前、将棋の世界で、羽生さんより先に「永世名人」を獲得した森内俊之名人の談話も興味深いものがあります。
「(永世名人は羽生さんであるという流れがある中で)、一生懸命やれば、そういう運命的な部分も自分の手で変えられるんだ。」。「名人は『選ばれる』ものではない(奪うものなのだ)。」と答えています。

最近、奇しくも、世界一の栄冠を獲得したお二人の口から、「自分が所属する世界」に対しての心構えが聞けたのは幸いでした。

私達は、毎朝のテレビで、占いや運命的な価値観がまるで天気予報のように垂れ流される世界に生きています。

しかし、人は、自らが、「世界」を変える可能性をもった者であると認識するとき、初めて、自らの置かれた「世界」に対する取り組み方を変えていけるように思います。

受験生の皆さん。成り行きとして流れる人生を、人生を作る主体の側から、世界と関わってみませんか。そのためにも、恵泉のオープンキャンパスに足を運ぶことから始めてみましょうね(^^)。

人文学部 日本語日本文化学科  川井章弘
担当科目:日本語表現 I (音声)  日本語研究 III(日本語教育)他