私の書棚 その1
2007年10月01日
私にとっての『書棚』
私は大学生の頃、神田の古本屋街を歩くのが好きでした。子どもの頃、深夜になると書物の中の登場人物が『くるみ割り人形』のように動き回るのじゃないかと想像して夜中に書棚の裏を覗いたりしたほど本を楽しんでいた私にとって、それは至福の時でした。
そこでほしい本を手にしたり、新たな本と出合ったり。ある時とても素敵な全集と出合ったのですが、私の手元には置くことができませんでした。
そんな時を経て今、かなりの書物が私の本棚に収められていてどれも貴重で大切です。
しかし今の私を作ってきた多くの書物、それが収まっているものがそれとは別にあって、それが書棚という気がします。自分自身の内的世界が作られて来たものの象徴...私は書棚をそう捉えています。人には必ずこのように、今ある自分を背後から支えている、自分を紡いできた何かがあると思います。言葉によって人の生き様を紡いでゆく世界の『居場所』として書棚があるのではないでしょうか?
そんな私の多くのお気に入りの書物の代表は、「赤いろうそくと人魚」「モンテ・クリスト伯」「ゲド戦記」など。
そして大学生の時に手に入れられなかった全集は小川未明(「赤いろうそくと人魚」の作者)全集!大学生にはあまりに高価だったのです。これぞ外的世界の現実!
人間環境学科 齋藤謁
担当科目:人間形成基礎演習他
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