2008年3月
別れと出会い その4
2008年03月27日
「別れと出会い~旅立ち~」
先日高校時代の友人に会った。
思えば何十年も前の3月、仲良しの彼女と別れ別れとなった。旅立ちという歩み始めと共に。その後お互いいろいろな経験を積み、少しずつ変化している。それでも何度となく「久々に会う」ことを続けている。会わない期間が長かった後には新たなお互いの発見があったことを今思い出す。それもまた違った意味の「出会い」で、喜びでもあった。
あの時点での別れがあったから、こうした意義深い出会いができるのではないかと思う。3月は別れの季節である。それは4月以降の新たな出会いの準備を期せずしてしている時でもある。そんな時期に咲く花の香りや色合い、風景などが別れという人生の大きな一つの情緒的体験とつながって思い出されることがよくある。気持ちと感覚器官を通して得られる記憶が実は深く関連しており、それは心理学で証明されているのである。
あの花の香りがするとふと彼女に会いたくなる。なんだか不思議。そして彼女と会うと変化した自分と出会えたりもする。つまりべったり一緒にいなくてもいいのである。それぞれが自分の道を歩いていれば、それでいい。人は人生の中でそうした関係をいくつか作ってゆく。そのことで助けられ助けてゆく。
人にとっての財産は人なんだな、と改めて思う。
人間環境学科 准教授 齋藤謁
担当科目;人間形成基礎演習他
別れと出会い その3
2008年03月24日
「個性を尊重する恵泉~別れと出会い~」3月13日は恵泉女学園大学の卒業式の日です。この日、約400人の学生が4年間の大学生活を無事終了し、卒業していきました。
静寂の中で卒業生の一人一人の名前が呼ばれていきます。そして、壇上に立った学生一人一人に卒業証書が手渡されます。私の心にもっとも感慨がこみ上げてくるのがこの瞬間です。一人一人の学生との思い出で胸がいっぱいになります。
私と一緒にアメリカのニューヨークに行き、体験学習を行ったSさん。これがきっかけとなって発奮し、卒業式前の春休みになっても毎日のように図書館で英語の勉強をしていましたね。JALの客室乗務員に決まったAさん。卒論をがんばって仕上げたのに、口頭試問で緊張してうまく答えることができず、つい見せた涙。強気の君が涙を流すときは、いつも悔し涙でしたね。
恵泉はこじんまりした大学なので、先生と学生の距離が近く、一人一人の学生の個性を尊重したきめ細かい教育が行われるのが強みですが、卒業式で学生の名前が呼ばれるときばかりは、一人一人の学生に向き合って教育ができただろうかと厳粛な気持ちにさせられます。
この4月に入学してくる新入生一人一人と、どんな出会いがあるのか、とても待ち遠く思っています。
国際社会学科 講師 漆畑智靖
担当科目;国際政治学、アメリカ政治など。
写真:卒業式を終えて
別れと出会い その2
2008年03月17日
“Farewell”As I thought about this month’s theme, “Farewell and Hello”, I thought I would write to the students who will be graduating from Keisen University. Many students, like myself many years ago, think that education ends after university. In reality, education is not limited to school. As John Dewey, the American educator, once said, “Education is not preparation for life; education is life itself. “
This is what I would like to tell my graduating students at Keisen University: university may have prepared you to find employment but you never stop learning particularly, about life. In school, teachers asked many questions for you to find answers. I trust you also, were able to formulate your own questions. Albert Einstein said “The important thing is not to stop questioning.” It is my hope that you will never be satisfied with just seeking answers. Truly, you learn by discovering answers to your own questions.
University graduation is only the beginning; your learning continues from here. I once read this proverb, “Learning is a treasure that will follow its owner everywhere.” My parting words to you are, to take this “treasure” and share it with others whom you will meet in your path of life.
英語コミュニケーション学科 准教授 R.Ken Fujioka
担当科目;コミュニケーション実践VIII他
別れと出会い その1
2008年03月10日
「別れと出会い」三月は、卒業のシーズン。
恵泉女学園大学では、卒業にあたって「学灯譲り」という行事が行われます。これは、恵泉にともった灯を絶やすことなく後輩たちに受け継いでほしいという願いをこめ、卒業生から在学生に「学灯(ランターン)」を譲り渡す伝統の儀式です。
気丈で通っていた卒業生が感極まって、まるで幼児のように大泣きして言葉を継げなくなる年もあり、沈着冷静に淡々と言葉を継ぐ厳かな年ありで、この行事は、毎年どのような個性的な「学灯譲り」となるか、楽しみにしている行事の一つです。年々歳々、花、相似たり。年々歳々、人、同じからず。(毎年、花は同じように咲くけれども、毎年、人の付き合いで同じものは一つとしてない。)とはよく言ったもので、卒業式に臨んでの私の心境は、まさにこの句に尽きています。
さて、高校生の皆さんはどのような卒業式を迎え、恵泉でどのような新たな交わりをされるでしょう。新しい出会いの時。新たな自分に立ち会う瞬間はもう目の前です。
四月、「世界でたった一つの花は、ここにも咲いているよ。」
新しい花々の声を待ち遠しく思います。
写真上:卒業生から在学生へ学灯を譲る
日本語日本文化学科 講師 川井章弘
担当科目;日本語表現I(音声)他
春の息吹・気配 その5
2008年03月03日
「冬の寒さがあってこその春」受験生の皆さん、受験シーズンもあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしですか?
今年の2月は平年より寒い日が多かったのですが、3月になってチューリップなどの球根も芽を出し始め、春の気配をあちこちに感じられるようになってきましたね。ニュースでサクラの開花予想を耳にすることもあるのではないでしょうか。
ところで、このサクラ、冬が暖かければ暖かいほど早く開花すると思いますか? 実は冬がある程度寒くないと、かえって開花は遅くなってしまうのです。というのも、サクラは秋に葉を落とすと休眠に入るのですが、この休眠から目覚めるためには一定期間低温に遭遇することが必要なのです。つまり、厳しい冬があってこその春のサクラなのですね。このブログをご覧の皆さんの中には、まだ大学が決まっていない方もいらっしゃると思います。まさに試練の真只中ということでしょうが、この試練を乗り越えてこそ、一歩成長した自分があるのです。皆さんもがんばって、サクラに負けないあなただけの花を咲かせてくださいね!
人間環境学科 准教授 樋口幸男
担当科目;園芸学概論、人と植物の関係学他