恵泉女学園大学

別れと出会い その1

2008年03月10日

「別れと出会い」

三月は、卒業のシーズン。

恵泉女学園大学では、卒業にあたって「学灯譲り」という行事が行われます。これは、恵泉にともった灯を絶やすことなく後輩たちに受け継いでほしいという願いをこめ、卒業生から在学生に「学灯(ランターン)」を譲り渡す伝統の儀式です。

気丈で通っていた卒業生が感極まって、まるで幼児のように大泣きして言葉を継げなくなる年もあり、沈着冷静に淡々と言葉を継ぐ厳かな年ありで、この行事は、毎年どのような個性的な「学灯譲り」となるか、楽しみにしている行事の一つです。

年々歳々、花、相似たり。年々歳々、人、同じからず。(毎年、花は同じように咲くけれども、毎年、人の付き合いで同じものは一つとしてない。)とはよく言ったもので、卒業式に臨んでの私の心境は、まさにこの句に尽きています。

さて、高校生の皆さんはどのような卒業式を迎え、恵泉でどのような新たな交わりをされるでしょう。新しい出会いの時。新たな自分に立ち会う瞬間はもう目の前です。

四月、「世界でたった一つの花は、ここにも咲いているよ。」

新しい花々の声を待ち遠しく思います。

写真上:卒業生から在学生へ学灯を譲る

日本語日本文化学科 講師 川井章弘
担当科目;日本語表現I(音声)他