恵泉女学園大学

2008年8月

夏の思い出 その1

2008年08月25日

「夏野菜」

まだまだ暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしですか?

ある夏の夕方、ふるさとに帰省していた私は父に連れられ畑へ。
そこには、彩り鮮やかな夏野菜がたくさん実っていました。

ナス、カボチャ、キュウリ、それからトマト。ほかにもいろいろ。

その中でも、夏の陽射しをめいっぱい浴びたトマトは見るからにおいしそうでした。
だけど実は私、トマトは苦手。
うまみ成分が豊富(8月9日放送「世界一受けたい授業」の本学教員藤田先生の授業より)とされているトマトのゼリー状の部分が、どうしても食べられなかったのです。

ところが、この真っ赤に実ったトマトを見ていると、「ちょっと食べてみようっかな」
という気持ちにさせられてしまいました。

ひと口、パクッ。
おいしっ。

今まで、こんなに濃厚なトマトの味を知らずにいたなんて。
これをきっかけに、トマトが大好きになったのは言うまでもありません。
貴重な体験をしたある夏の日なのでした。

恵泉のオープンキャンパスでは、教育農場ツアーを行っていて、これまでにキュウリやプチトマトの収穫、ブルーベリーの試食をしていただきました。
これからオープンキャンパスに来られる高校生、保護者の皆様もぜひもぎたて野菜のおいしさを体験してみてくださいね。

入試広報室 長岡有美

入試担当教員の紹介 その7

2008年08月18日

「自己紹介 - 研究者として」

大学院生の頃、英語もろくに喋れないまま北米の神経科学会に参加した。実は海外渡航も初めてで、ただ勢いに任せて指導教授について行った。

日本の学会はせいぜい3日ぐらいだが、この学会は1週間も開催される。しかもポスター会場はジャンボ機が入ると思えるほど広いコンベンションセンターである。一人のボードは畳一畳程度で、午前と午後で張り替えられる。どれだけの数の研究発表があるか想像できるだろうか。私もそんな会場の片隅にポスターを掲示した。

「どうせ日本の院生レベルの研究なんて誰も聞きに来ないだろう」と高をくくっていたが、次々に参加者が質問に来る。しかも、どの人も私の片言英語を真剣に聞いてくれる。見渡せば会場中が人で溢れ、どこもかしこもディスカッションをしている。あまりの熱気に鳥肌の立つ思いをしながら必死に喋った。

ホテルへの帰路は、これまでに使ったことのない頭の疲労を感じながらフラフラだった。しかし何という発表の数だろう。ただ圧倒されてしまった。ここに最先端の脳研究をしている世界中の学者たちが毎年集い、発表している。いったいどれだけの研究をいつまで続ければ脳は解明されるのだろう。そんなことを考えながらも、そのような研究者の中の一人でいられることがとても幸で、嬉しい気持ちになった。

あのときの興奮が、私の研究者としての礎である。

人間環境学科 講師 喜田安哲
担当科目:人間形成基礎演習、統計学

入試担当教員の紹介 その6

2008年08月11日

「自己紹介 ~恵泉で一番のアウトドア派!?~」

皆さん、こんにちは。人間環境学科の樋口です。

以前、このブログで、子供の頃は昆虫博士になりたかった、と書いたことがありますが、私は昔から昆虫以外にも魚や植物が大好きでした。その中でも特に好きだった生物をあげると、チョウでは高山に住むクモマツマキチョウ、魚では渓流に住むヤマメやイワナ、そして植物では高山に咲くチングルマや山に咲くランの仲間などがあります。そう、どれも日本の山に生きる生物たちです。そして、これらの生物たちと出会うため、捕虫網を持って林をさまよったり、カメラを持って山に登ったり、渓流で釣り竿を振り回したりと、中学のころから暇さえあればそんなことばかりして、現在に至っています。(笑)

そうして出会った生物たちの中で、今日は私が大好きなランを2つ紹介しましょう。一つはアツモリソウです。「この花、だれがデザインしたの?」と聞きたくなるくらい複雑な造形美をしていますよね。

もう一つはイチヨウラン。これは南アルプスの樹林帯で撮影したものですが、葉が一枚、花が一つという、植物としてこれ以上ないくらいシンプルな作りの中にも、凛とした美しさがあると思いませんか?

仕事では園芸化された植物を扱っていますが、本当はこうした日本の山に咲く花が大好きな私です。皆さんも時間があったら、是非、山に出かけて、日本の素晴らしい野生の花たちと出会ってみてください。海外に行かなくても、日本には素晴らしい自然がまだまだ沢山ありますから!

人間環境学科 准教授 樋口幸男
担当科目:園芸概論、人と植物の関係学他

入試担当教員の紹介 その5

2008年08月04日

「自己紹介 - アメリカと私」

私は典型的なバブル世代に属します。

1980年代後半、ソニーがコロンビア映画、三菱地所がロックフェラーセンターをそれぞれ買収し、敗戦国日本が経済的にアメリカを追い越したなどという論評すら出てくるような浮ついた雰囲気の日本で、私は学生時代を過ごしていたのです。隔世の感がありますが、当時の私の印象では、アメリカとは、日本産業の激しい追い上げを一因とする製造業の不振や貿易・財政赤字に苦しむ一方で、追撃する日本を理不尽に非難する国に見えました。

1990年7月、いわゆる冷戦終結宣言の翌年、イラクによるクウェート侵攻数日前に私ははじめて渡米しました。アメリカの労働者が日本車を派手に破壊するパフォーマンスの映像が鮮明に脳裏に刻まれていた私にとっては、アメリカはいわば「敵地」という時代錯誤的な気分だったのですが、中西部の田舎町の大学寮生活という社会から隔離された小世界で私が発見したものは、アメリカにも「いいやつと嫌なやつがいる」という単純な事実でした。

現在、アメリカの政治・外交や国際政治を教えています。私が時にアメリカ外交にうんざりしながらも、「アメリカなるもの」に知的関心を持ち続けている本当の理由は、案外、アメリカで出会った人々との忘れ難い個人的な記憶があるからだけなのかもしれません。

国際社会学科 専任講師 漆畑智靖
担当科目:国際政治学、アメリカの政治・外交