夏の思い出 その3
2008年09月08日
「じゃんがら」
今年もお盆は福島県いわき市にある妻の実家に帰省しましたが、ちょうど「じゃんがら念仏踊り」を見ることが出来ました。恵泉女学園大学は、キリスト教主義の学校なので、仏教の「念仏踊り」は身近なものではありませんが、文化として興味深く思ったのでご紹介します。みなさん、「じゃんがら念仏踊り」って知っていますか。江戸時代から伝わる福島県いわき市の伝統芸能で、通称「じゃんがら」といい、いわき市の無形民族文化財に指定されています。地区ごとに結成された15人くらいの若者達が、この1年の間に家族を亡くした新盆を迎える家を訪ね、太鼓、鉦を叩き、踊りを披露することで供養をし遺族を慰める、この地域の夏の風物詩です。
さて「じゃんがら」が新盆を迎えた家に到着すると「チャンカ、チャンカ、チャンカ、チャンカ・・・」と鉦と太鼓の音が聞こえてくるので、近所の人たちは見物するためにゾロゾロと集まってきます。そしてちょっと物悲しい節の歌と、ユニークな踊り、力強い太鼓の音、にぎやかな鉦の音を堪能します。地区によってテンポが早かったり、あるいはちょっと鉦と太鼓の音が合っていなかったりと様々で、どこの地区が上手いか聞き較べるのも面白かったりします。
でも「じゃんがら」を見ていて一番強く感じることは、「悲しんでいる人たちに元気を出してもらいたい」という地域の人たちの温かい気持ちです。その温かい気持ちがあるからこそ江戸時代から現在まで受け継がれているのだと思います。
改めて、文化には、成り立ち、背景、歴史があるのだと感じた夏でした。
入試広報室
櫻井証
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