芸術の秋 その2
2008年10月20日
「美術館・博物館に行こう」秋と言えば、芸術の秋。個人的には食欲の秋だったりしますが、日本美術史が専門の私としましては、今回は美術館や博物館でおこなわれている秋の特別展の情報を少々お届けします。
美術館や博物館では、春と秋が展覧会のシーズンです。なぜかと言うと、気候がいいので作品のコンディションが悪くならない、集客が見込める、などの理由からです。
今年は『源氏物語』千年紀ということで、関西では『源氏物語』関連のイベントが目白押しです。関東では、さほどの盛りあがりはないものの、千年紀絡みの展覧会を紹介するとしたら、横浜美術館で開催中の「源氏物語の1000年―あこがれの王朝ロマン―」があげられるでしょう。現代に至るまで、『源氏物語』がどのように描き継がれてきたのか、鑑賞してみてください。11月3日まで。千年紀絡みではないものの、日本美術関係の展覧会と言えば、東京国立博物館で開催中の「大琳派展―継承と変奏―」でしょう。こちらは尾形光琳生誕350周年を記念しての大展覧会で、本阿弥光悦・俵屋宗達・尾形光琳・尾形乾山・酒井抱一・鈴木其一の6人の作品から、「琳派」と呼ばれる流派を見渡そうとするものです。
琳派の技法や表現がどのように受け継がれ、どのように変容していったのか、鑑賞してください。11月16日まで。
展覧会の見方については、長くなりますので、入学後に日本美術史の授業を履修してくださいね。
横浜美術館HP「源氏物語の1000年―あこがれの王朝ロマン―」
http://genji1000.jp/
東京国立博物館HP「大琳派展―継承と変奏―」
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=5705
日本語日本文化学科 教授 稲本万里子
担当科目:日本美術史 I II他