恵泉女学園大学

私の座右の銘 その4

2009年02月23日

'ホットなハート、クールなブレイン' ~私にとっての自然体~

'ホットなハート、クールなブレイン'という言葉は大学卒業時にある先生が私たちに贈ってくれた言葉です。「熱い情熱と冷静な判断力を持って充実した人生を!」というメッセージだったのでしょうが、この言葉を思い出し、自分なりに意味を理解できたのは、モータースポーツに夢中になり、サーキットを走りまわっていた、ちょうど30歳の時のことです。

一周40秒ほどの小さなサーキットで、同車種のレコードタイムまであとコンマ何秒というところでタイムが伸び悩んでいたある時、「タイムは気にせず、リラックスして車の挙動を正確にコントロールすることに集中しよう」、そう思って走ってみたのです。すると、今までにないくらい車の挙動がゆっくりとしたものに感じられ、景色もゆっくりと流れていくように思えました。あまりにゆっくりと感じられてので、タイムはさぞかし遅いのだろうと思いましたが、意外なことに、目標にしていたタイムを出せていたのです。
それまでは、速く走りたいという思いだけが先走りして、車の挙動を冷静にコントロールするという、速く走る上で最も大切なことをおろそかにしていたのですね。
それを契機にこんなことを思うようになりました。自然体という言葉があるけど、熱い情熱と冷静な判断力が調和した状態を自然体って言うんだな。そして、その二つをより高い次元で調和させられたとき、人はより高い壁を越えることができるんだな、と。
以来、常に'自然体'でいることを心がけるようにしています。なかなか難しいことですが(笑)

人間環境学科 准教授 樋口幸男
担当科目 園芸概論、人と植物の関係学他