2009年4月
希望を実現するための大学選び その4
2009年04月27日
「迷っていい大学選び」高校生のみなさんにとって、どの大学に進学すべきかを決めるのは、なかなか難しいことだと思います。私はかつて高校教員をしていましたが、私が担任をしていたクラスの中に、進学先をなかなか決められない生徒がいました。最後まで見守ろうと心に決めていましたが、秋になってもまだ受験先を決められない生徒は、放課後、進路指導室に呼び出して、将来やりたいことなどを根掘り葉掘り聞き出し、その子の夢が一番叶いそうな大学を一緒にパンフレットを眺めながら探した思い出があります。
月日が立つのは早く、私が担任をしていたクラスの学生は、すでに27歳になり、みんな立派な社会人です。彼らと知り合ったのは16歳の時、高校卒業までの3年間は担任として毎日彼らと接し、その後も交流は続いており、ずっと大学生、社会人としての彼らの成長を見守っています。
そんな彼らの人生を見ていると、やはり大学選びは大切だと教えられます。大学時代にいろいろな経験をし、幅広い知識を身につけ、その結果、高校時代とは違う新しい夢を見つけたり、新しい自分を発見した生徒はたくさんいます。高校時代には想像もしなかった道に進んだ生徒もいます。
そこで私が特に気がついたのは、-彼らに共通していること- それは大学を決める時に、たくさん迷い、悩んで、でも最終的にそれぞれの個性に合った大学を見つけられて進学できたことだと思います。大学進学を決める時、たくさん迷うのはいいことなんだと思います。
英語コミュニケーション学科 助教 村岡有香
担当科目:英文基礎購読他
希望を実現するための大学選び その3
2009年04月20日
「さあ、出かけてみよう!」大学選びに悩んでいる人も多いと思います。「希望」が明確な人は、早速大学を探していることでしょう。しかし、「希望」がはっきりしないから選べないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。親や先生に「何がやりたいの?」と聞かれて一所懸命考えている人もいると思います。
しかし、「希望」といのは考えて出てくるものではありません。「希望」は、何かの拍子に「これやりたい!」「これおもしろい!」「これどうなっているの!?」と感じることから始まります。それが「もっと理解したい!」「もっとうまくなりたい!」「こんな仕事に就きたい!」と展開していくことです。「希望」が明確でない人は、"何かの拍子"が発生する具体的な出来事に出会っていないのでしょう。ですから、一人で考え込んでも「希望」が出てくることはないのです。では、どうしたらよいのでしょう? ぜひ実際に大学に行ってみてください。どの大学でもよいのです。何となく気になる大学から始めてください。そして、大学の先生や学生さんにインタビューして、その人たちが大学で何に興味を持ってどのような取り組みをしているのかを直接聞いてください。すると、「へぇー、おもしろそう」「どういうしくみなの!?」「何でそうなるの?」と共感して興味をもてる事柄に出会えると思います。皆さんにとって大学は未知の世界ですから、具体的な話を聞きながらイメージをふくらませるのです。
ちなみに、恵泉女学園大学でもオープンキャンパスを開催しています。毎週土曜日にも相談窓口を開いています。ぜひ入試広報室に足を運んで、恵泉で何をやっているのかを具体的に聞いてください。教員やキャンパス・アテンダントの学生さんがお話しをしてくれますよ。
人間環境学科 講師 喜田安哲
担当科目:人間形成基礎演習、統計学他
希望を実現するための大学選び その2
2009年04月13日
「入学式の光景」「ご入学おめでとうございます。」いつものように入学式で耳にする言葉です。
ところで、学生たちは、どういう選択をしたのでしょうか?すでに持っている希望に合わせて大学を選んだというのは、それほど多くないはずです。かつての私自身を振り返っても、やはりもっと漠然とした思いだったように記憶しています。そうならば、むしろ自分の希望そのものを発見できる大学をこそ、求めるべきかもしれません。
私自身の経験でもありますが、小さな大学には良さがあります。恵泉女学園大学のような小規模大学では、教室が小さく、教師と学生の距離が近いものです。ひょっとしたら、2メートル程の至近距離から先生の話を聞くことになるかもしれません。言葉がよく聞こえるのは当然ですが、表情の変化もよく観察できるはずです。大教室で受ける授業とはずいぶん違った雰囲気です。緊張感が保てますし、知的交流も生まれていきます。
あらためて言うまでもなく、大学に入ることで実現してしまう希望など、たいしたものではありません。入学後、安直に流れずあえて不満を抱え続ける学生を目にするのは、教師としてはむしろ嬉しいことです。卒業式でこそ満足した学生の姿を見たいと思います。
文化学科 准教授 高濱俊幸
担当科目:文化史基礎研究(欧米の歴史)
希望を実現するための大学選び その1
2009年04月06日
「大学でさわやかなコミュニケーション能力を!」医療、教育関連など、学部選択と職業が直結している分野を除けば、どのような大学、学部・学科を選ぼうと、大学生には多様な未来が広がっています。ということは一般に、自分の興味ある事柄を気分よく学習できる場、将来を見すえて皆に共通して求められる大事な能力を身に付ける場を、大学に求めるのが自然です。
そこで、お勧めしたいことが2つあります。ひとつは、実際にその大学を何度か訪問して、教員など関係者と直接に話し、心地よい居場所であると納得したうえで、受験することです。その際、キャンパスや在学生の雰囲気も、重要な決め手になるでしょう。
もうひとつは、特に将来の希望がまだ漠然としている受験生に勧めたいことで、幅広い教養教育を重んじる大学を選択肢に加えることです。企業アンケート調査などによると、大卒者に対してほぼ共通に要請されるのは、コミュニケーション能力、行動力、人柄などで、特別な技能や実績、まして手軽に取得できる資格ではありません(最近の一例として、09年3月29日付朝日新聞朝刊、主要100社調査など)。
結局のところ、新社会人としての常識や一般的な教養を身につけ、さわやかなコミュニケーション能力を養うことが大事です。教養教育を重視する大学は、こうした基礎的かつ総合的な人間力の育成に力を注いでおり、多様な「希望を実現するための大学選び」の観点からは、意外な近道を提供しています。そして、恵泉女学園大学にもまさにそのような特長があります。
国際社会学科 教授 坂井 誠(入試部長)
担当科目:「アメリカの経済と社会」、「国際経済論」など