希望を実現するための大学選び その2
2009年04月13日
「入学式の光景」「ご入学おめでとうございます。」いつものように入学式で耳にする言葉です。
ところで、学生たちは、どういう選択をしたのでしょうか?すでに持っている希望に合わせて大学を選んだというのは、それほど多くないはずです。かつての私自身を振り返っても、やはりもっと漠然とした思いだったように記憶しています。そうならば、むしろ自分の希望そのものを発見できる大学をこそ、求めるべきかもしれません。
私自身の経験でもありますが、小さな大学には良さがあります。恵泉女学園大学のような小規模大学では、教室が小さく、教師と学生の距離が近いものです。ひょっとしたら、2メートル程の至近距離から先生の話を聞くことになるかもしれません。言葉がよく聞こえるのは当然ですが、表情の変化もよく観察できるはずです。大教室で受ける授業とはずいぶん違った雰囲気です。緊張感が保てますし、知的交流も生まれていきます。
あらためて言うまでもなく、大学に入ることで実現してしまう希望など、たいしたものではありません。入学後、安直に流れずあえて不満を抱え続ける学生を目にするのは、教師としてはむしろ嬉しいことです。卒業式でこそ満足した学生の姿を見たいと思います。
文化学科 准教授 高濱俊幸
担当科目:文化史基礎研究(欧米の歴史)