恵泉女学園大学

KEISEN Campus News by Teachers

教職員が恵泉にまつわる様々なことを紹介します。

夏の思い出 その3

2008年09月08日

「じゃんがら」

今年もお盆は福島県いわき市にある妻の実家に帰省しましたが、ちょうど「じゃんがら念仏踊り」を見ることが出来ました。恵泉女学園大学は、キリスト教主義の学校なので、仏教の「念仏踊り」は身近なものではありませんが、文化として興味深く思ったのでご紹介します。

みなさん、「じゃんがら念仏踊り」って知っていますか。江戸時代から伝わる福島県いわき市の伝統芸能で、通称「じゃんがら」といい、いわき市の無形民族文化財に指定されています。地区ごとに結成された15人くらいの若者達が、この1年の間に家族を亡くした新盆を迎える家を訪ね、太鼓、鉦を叩き、踊りを披露することで供養をし遺族を慰める、この地域の夏の風物詩です。

さて「じゃんがら」が新盆を迎えた家に到着すると「チャンカ、チャンカ、チャンカ、チャンカ・・・」と鉦と太鼓の音が聞こえてくるので、近所の人たちは見物するためにゾロゾロと集まってきます。そしてちょっと物悲しい節の歌と、ユニークな踊り、力強い太鼓の音、にぎやかな鉦の音を堪能します。地区によってテンポが早かったり、あるいはちょっと鉦と太鼓の音が合っていなかったりと様々で、どこの地区が上手いか聞き較べるのも面白かったりします。

でも「じゃんがら」を見ていて一番強く感じることは、「悲しんでいる人たちに元気を出してもらいたい」という地域の人たちの温かい気持ちです。その温かい気持ちがあるからこそ江戸時代から現在まで受け継がれているのだと思います。

改めて、文化には、成り立ち、背景、歴史があるのだと感じた夏でした。

入試広報室
櫻井証

夏の思い出 その2

2008年09月01日

「オープンキャンパス」

いよいよ9月になりました。この夏、みなさんはどんな思い出ができたでしょうか。夏休みって本当にあっという間に終わる気がしますね。

入試広報室の「夏」といえばやはり「オープンキャンパス」。本学では、学生実行委員「キャンパスアテンダント(CA)」が、教職員と一緒に作り上げています。

CAは、2年生と3年生で構成されており、春から職員と共にミーティングを始めます。
昼休みに研修をしたり、園芸体験「押し花レター」の準備の一環として、キャンパスに咲く花をつんで押し花にしたりもしました。それぞれが、来場者の皆様に喜んでいただけるよう、一生懸命取り組んでいます。

また、CAによる「キャンパスツアー」は、基本的なご案内に加え、CA同士で自主的に練習を重ね、一人一人の個性を生かしたツアーができるような努力を行っています。

オープンキャンパス当日、CAと教職員一同で来場者の皆様をお迎えできることは、私たち入試広報室のスタッフにとっても大きな喜びです。

次回は、日曜日(7日)にランチバイキングから始まる「固定メニュー」のオープンキャンパスを行います。夏の「メニュー自由選択方式」とはまた一味違ったオープンキャンパスです。

どうぞ、また多くの皆さまにキャンパスにお越しいただけるよう、心よりお待ちしております。

入試広報室 西村馨

夏の思い出 その1

2008年08月25日

「夏野菜」

まだまだ暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしですか?

ある夏の夕方、ふるさとに帰省していた私は父に連れられ畑へ。
そこには、彩り鮮やかな夏野菜がたくさん実っていました。

ナス、カボチャ、キュウリ、それからトマト。ほかにもいろいろ。

その中でも、夏の陽射しをめいっぱい浴びたトマトは見るからにおいしそうでした。
だけど実は私、トマトは苦手。
うまみ成分が豊富(8月9日放送「世界一受けたい授業」の本学教員藤田先生の授業より)とされているトマトのゼリー状の部分が、どうしても食べられなかったのです。

ところが、この真っ赤に実ったトマトを見ていると、「ちょっと食べてみようっかな」
という気持ちにさせられてしまいました。

ひと口、パクッ。
おいしっ。

今まで、こんなに濃厚なトマトの味を知らずにいたなんて。
これをきっかけに、トマトが大好きになったのは言うまでもありません。
貴重な体験をしたある夏の日なのでした。

恵泉のオープンキャンパスでは、教育農場ツアーを行っていて、これまでにキュウリやプチトマトの収穫、ブルーベリーの試食をしていただきました。
これからオープンキャンパスに来られる高校生、保護者の皆様もぜひもぎたて野菜のおいしさを体験してみてくださいね。

入試広報室 長岡有美

入試担当教員の紹介 その7

2008年08月18日

「自己紹介 - 研究者として」

大学院生の頃、英語もろくに喋れないまま北米の神経科学会に参加した。実は海外渡航も初めてで、ただ勢いに任せて指導教授について行った。

日本の学会はせいぜい3日ぐらいだが、この学会は1週間も開催される。しかもポスター会場はジャンボ機が入ると思えるほど広いコンベンションセンターである。一人のボードは畳一畳程度で、午前と午後で張り替えられる。どれだけの数の研究発表があるか想像できるだろうか。私もそんな会場の片隅にポスターを掲示した。

「どうせ日本の院生レベルの研究なんて誰も聞きに来ないだろう」と高をくくっていたが、次々に参加者が質問に来る。しかも、どの人も私の片言英語を真剣に聞いてくれる。見渡せば会場中が人で溢れ、どこもかしこもディスカッションをしている。あまりの熱気に鳥肌の立つ思いをしながら必死に喋った。

ホテルへの帰路は、これまでに使ったことのない頭の疲労を感じながらフラフラだった。しかし何という発表の数だろう。ただ圧倒されてしまった。ここに最先端の脳研究をしている世界中の学者たちが毎年集い、発表している。いったいどれだけの研究をいつまで続ければ脳は解明されるのだろう。そんなことを考えながらも、そのような研究者の中の一人でいられることがとても幸で、嬉しい気持ちになった。

あのときの興奮が、私の研究者としての礎である。

人間環境学科 講師 喜田安哲
担当科目:人間形成基礎演習、統計学

入試担当教員の紹介 その6

2008年08月11日

「自己紹介 ~恵泉で一番のアウトドア派!?~」

皆さん、こんにちは。人間環境学科の樋口です。

以前、このブログで、子供の頃は昆虫博士になりたかった、と書いたことがありますが、私は昔から昆虫以外にも魚や植物が大好きでした。その中でも特に好きだった生物をあげると、チョウでは高山に住むクモマツマキチョウ、魚では渓流に住むヤマメやイワナ、そして植物では高山に咲くチングルマや山に咲くランの仲間などがあります。そう、どれも日本の山に生きる生物たちです。そして、これらの生物たちと出会うため、捕虫網を持って林をさまよったり、カメラを持って山に登ったり、渓流で釣り竿を振り回したりと、中学のころから暇さえあればそんなことばかりして、現在に至っています。(笑)

そうして出会った生物たちの中で、今日は私が大好きなランを2つ紹介しましょう。一つはアツモリソウです。「この花、だれがデザインしたの?」と聞きたくなるくらい複雑な造形美をしていますよね。

もう一つはイチヨウラン。これは南アルプスの樹林帯で撮影したものですが、葉が一枚、花が一つという、植物としてこれ以上ないくらいシンプルな作りの中にも、凛とした美しさがあると思いませんか?

仕事では園芸化された植物を扱っていますが、本当はこうした日本の山に咲く花が大好きな私です。皆さんも時間があったら、是非、山に出かけて、日本の素晴らしい野生の花たちと出会ってみてください。海外に行かなくても、日本には素晴らしい自然がまだまだ沢山ありますから!

人間環境学科 准教授 樋口幸男
担当科目:園芸概論、人と植物の関係学他