恵泉女学園大学

KEISEN Campus News by Teachers

教職員が恵泉にまつわる様々なことを紹介します。

別れと出会い その2

2008年03月17日

“Farewell”

As I thought about this month’s theme, “Farewell and Hello”, I thought I would write to the students who will be graduating from Keisen University. Many students, like myself many years ago, think that education ends after university. In reality, education is not limited to school. As John Dewey, the American educator, once said, “Education is not preparation for life; education is life itself. “

This is what I would like to tell my graduating students at Keisen University: university may have prepared you to find employment but you never stop learning particularly, about life. In school, teachers asked many questions for you to find answers. I trust you also, were able to formulate your own questions. Albert Einstein said “The important thing is not to stop questioning.” It is my hope that you will never be satisfied with just seeking answers. Truly, you learn by discovering answers to your own questions.

University graduation is only the beginning; your learning continues from here. I once read this proverb, “Learning is a treasure that will follow its owner everywhere.” My parting words to you are, to take this “treasure” and share it with others whom you will meet in your path of life.

英語コミュニケーション学科 准教授 R.Ken Fujioka
担当科目;コミュニケーション実践VIII他

別れと出会い その1

2008年03月10日

「別れと出会い」

三月は、卒業のシーズン。

恵泉女学園大学では、卒業にあたって「学灯譲り」という行事が行われます。これは、恵泉にともった灯を絶やすことなく後輩たちに受け継いでほしいという願いをこめ、卒業生から在学生に「学灯(ランターン)」を譲り渡す伝統の儀式です。

気丈で通っていた卒業生が感極まって、まるで幼児のように大泣きして言葉を継げなくなる年もあり、沈着冷静に淡々と言葉を継ぐ厳かな年ありで、この行事は、毎年どのような個性的な「学灯譲り」となるか、楽しみにしている行事の一つです。

年々歳々、花、相似たり。年々歳々、人、同じからず。(毎年、花は同じように咲くけれども、毎年、人の付き合いで同じものは一つとしてない。)とはよく言ったもので、卒業式に臨んでの私の心境は、まさにこの句に尽きています。

さて、高校生の皆さんはどのような卒業式を迎え、恵泉でどのような新たな交わりをされるでしょう。新しい出会いの時。新たな自分に立ち会う瞬間はもう目の前です。

四月、「世界でたった一つの花は、ここにも咲いているよ。」

新しい花々の声を待ち遠しく思います。

写真上:卒業生から在学生へ学灯を譲る

日本語日本文化学科 講師 川井章弘
担当科目;日本語表現I(音声)他

春の息吹・気配 その5

2008年03月03日

「冬の寒さがあってこその春」

受験生の皆さん、受験シーズンもあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしですか?

今年の2月は平年より寒い日が多かったのですが、3月になってチューリップなどの球根も芽を出し始め、春の気配をあちこちに感じられるようになってきましたね。ニュースでサクラの開花予想を耳にすることもあるのではないでしょうか。

ところで、このサクラ、冬が暖かければ暖かいほど早く開花すると思いますか? 実は冬がある程度寒くないと、かえって開花は遅くなってしまうのです。というのも、サクラは秋に葉を落とすと休眠に入るのですが、この休眠から目覚めるためには一定期間低温に遭遇することが必要なのです。つまり、厳しい冬があってこその春のサクラなのですね。

このブログをご覧の皆さんの中には、まだ大学が決まっていない方もいらっしゃると思います。まさに試練の真只中ということでしょうが、この試練を乗り越えてこそ、一歩成長した自分があるのです。皆さんもがんばって、サクラに負けないあなただけの花を咲かせてくださいね!

人間環境学科 准教授 樋口幸男
担当科目;園芸学概論、人と植物の関係学他

春の息吹・気配 その4

2008年02月25日

「2月のソーセージ」

どんなによく知っている場所でも、訪ねる季節が違えば、印象や空気も違って感じるものだ。そして、その発見に驚いたり、喜んだり、少し感傷的になったりもする。

私はフランスのコルシカ島という島の地域文化の成り立ちに興味があって、調べ始めてから17年ぐらいになる。険しい山と青い海に囲まれた春にはハーブの香がただよう美しい島だ。

今は調査を兼ねて友人の家族に会うのを楽しみに通っている。大学の授業が無い時期に行くので決まって8月末から9月上旬に行くことが多い。そうすると、いつも難破船をすくった「ミラクル」の御利益がある教会に行ったり、海の幸を食べに行くことになる。

たまたま、2年前に2月にコルシカへ行く機会があった。すると、友人の家族は、せっかく2月に来たのだからと、暖炉で焼いたソーセージと栗の粉で作ったマッシュポテトのようなつけあわせをご馳走してくれた。

コルシカのレストランには名物として年間通してコルシカのハム類がメニューに載っている。しかし、実はハムやソーセージにはそれぞれ食べ頃の旬があるとこのとき初めて知った。旬は野菜や魚だけではなかったのだ。

もうすぐ卒業式。新しい生活が4月から始まる。一度も話したことの無かった同級生や先生と話してみたり、小学校や中学校の卒業記念で作ったものを見てみると、新しい何かが見えてくるかもしれない。

春は今までのこわばった考えの殻を脱ぎ捨てる季節なのだ。

国際社会学科 准教授 定松文
担当科目;国際関係基礎演習V(国際社会とヨーロッパ)他

春の息吹・気配 その3

2008年02月18日

「春を知らせる花々」

「春は名のみの風の寒さや」と早春賦の歌詞にありますように、まだ冬の寒さの残る中、春の暖かさが待たれるこの頃です。今日は、このような寒さの中、庭に春を知らせてくれるいくつかの草花を紹介します。

1月下旬から咲き出すのはスノードロップです。草丈10cmほどで白い花に緑の斑点が入ります。冬枯れの庭にうつむきかげんにそっと咲きだすその花は、春の息吹を真っ先に告げてくれます。秋に球根を植えておけば、必ず咲いてくれます。

2月に入ると福寿草が咲き出します。黄色や橙色の花びらを重ねた花は、早春の陽に当たってキラキラと輝きます。秋に落葉樹の下に苗を植えておきます。

続いて咲くのがクロッカスです。黄、青、白色の花を天に向かっていっぱいに広げます。たくさん植えると花の絨毯のように咲き揃います。これも球根を秋のうちに植えておきます。

3月になるとラッパスイセンが黄色の大きな花を、春が始まりましたよと告げるように咲きだします。
それに先立って、房咲きの日本水仙は冬の初めの頃から咲き続けています。水仙の球根は植えっぱなしで毎年咲くので手間いらずです。

そして、早咲きのチューリップが3月中旬頃から咲き出すと、春もいよいよ本番になります。

このように寒さの中で次々と咲いてくる早春の花々は、一つ一つがまるで庭を飾る宝石のようです。

文化学科 教授 西村悟郎
担当科目;庭園文化、文化領域基礎購読III(芸術・園芸)