恵泉女学園大学

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学生生活

「ケータイ川柳」公開コンテスト

恵泉スプフェスの定番名物企画!今年のお題は「イタい!」

恵泉女学園大学では、日本語の表現力、伝達力を高める授業の一環として「川柳」を取り入れています。スプフェスでは毎年その授業を一般公開、ご応募いただいた皆様の力作、傑作をコンテスト形式で審査。優秀作には賞品を差し上げます(女子高生の作品には特別賞も設定)。

今年のゲスト審査員は詩人のねじめ正一さんでした。

ケータイ川柳コンテスト結果発表

作品 投稿者
最優秀賞 この紙に 俺の良いとこ 100コ書け ぼうくん
女子高生特別賞 おじいちゃん "つでじ"じゃないよ 地デジだよ とこすけ
兄弟を 名前で登録 見栄を張る バナナ
審査委員賞  ねじめ正一賞 人生は ホップステップ 救急車 どうしょう平八郎
稲本万里子賞 同窓会 ママが私の ミニを着て 青空
姜信子賞 君いくつ 心はいつも 少年さ 黒澤 晶穂
佳作 「欧米か!」 ツッコむ父の したり顔 まっちゃん
バランスを 崩して破壊 Wii fit りさくら
「姉ちゃん!」に 姪より先に 振り返る なつなつ
母親が 受けたオーディション あゆのマネ まっちゃん
イタイ人 どんなヤツかと 君がきく 戸倉

2010年度「ケータイ川柳コンテスト」を終えて

今回は「イタい!」という題を設けて、切れ味のいい、面白い川柳作品を応募くださるのを期待しました。若者言葉としての「イタい!」は、「いい歳をして若者っぽく振舞おうとする様子に無理があるので、恥ずかしい、見ちゃいられないな」というほどのニュアンスで使われます。平安時代の「傍(かたは)ら痛し」という言葉とよく似ているのでは。応募作、もちろんそのイマ風の感じを出そうと工夫された作も色々あるのですが、なかには「タンスにぶつかってイタい」とかいうものもあって、こちらはちょっと選外にお引取りいただきます(笑)。ただ、選考に際しては、その「お題」の踏まえ具合を勘案しながらも、川柳らしさとか、表現された言葉の勢いとかにも注目して、総合的に判断された審査の先生もおられました。最終的に集ったのは1751句。5月29日の14時より公開審査を行ないました。詩人・作家のねじめ正一さん、作家で本学客員教授の姜信子さん、本学人文学部教授で美術史が専門の稲本万里子先生が先ずそれぞれ候補句5句を挙げられて、そのなかから一句づつ審査員特別賞計3句を発表しました。続いて審査員の協議によって決定した佳作を5句、また女子高生特別賞の2句を発表して、最後に審査委員長のねじめさんより最優秀賞の紹介と選考理由の解説がありました。結果は別記の通りです。

「同窓会ママが私のミニを着て」とか、「「姉ちゃん!」に姪より先に振り返る」とかは「イタい!」感じがぱっと伝わります。「欧米か!」とはお笑いコンビのタカアンドトシがひと昔前に流行らせたギャグ。もう賞味期限は終っています。それをお父さんが「したり顔」で使うところが「イタい!」わけですね。また女子高生特別賞の一句「おじいちゃん"つでじ"じゃないよ地デジだよ」、「地上デジタル放送」の意味を理解しないで「地(ち)」と「つ」を勘違いして使ってるところを「イタい!」と捉えたのでしょう。でもここにはおじいちゃん思いの孫娘の健気さも表現されていますね。会場からも「カワイイ」という声がありました。審査を担当された三人の先生がそれぞれ選考の基準や理由をお話しくださったので、句だけ見たのでは「?」という反応だった聴衆の皆さんも、説明を聴いて納得顔。俳人の高浜虚子に「選は創作なり」という言葉がありますが、俳句や川柳の場合、575のなかに豊かなストーリーを読むことでその作をさらに生かすことが出来るわけでしょう。

最後にねじめさんから、最優秀賞の句を発表していただきました。「この紙に俺の良いとこ100コ書け」。謙譲の美徳もなにもありません。天真爛漫ともいえるこの「オレ様」ぶりには、小市民的な「イタさ」などを踏み破ってストレートの顔面パンチを喰らったかのような「痛さ」が響きます。「100コ」という数も妙味があるとのこと。最優秀賞はこの句に決定いたしました。投稿くださった皆さん、1700という数の投稿作品をじっくりと吟味なされた審査員の先生がた、それに公開審査当日、会場にお集まりくださった皆さん、どうもありがとうございました。

人文学部 日本語日本文化学科 林 浩平

応募について

概要

お題:「イタい!」
応募資格:どなたでも
審査員:ねじめ正一(詩人)、姜信子(作家 本学客員教授)、稲本万里子(本学教授)
締め切り:5月27日(木)来場者は当日応募可

賞品

最優秀賞(1名): 商品券 2万円
女子高生特別賞(2名): 商品券 1万円
審査員賞(3名): 商品券 5千円
佳作(若干名): 図書券 3千円

発表

恵泉スプリングフェスティバル(5月29日)で催される公開コンテスト(14:00~15:00 G101教室)で優秀作品を発表します。また、後日本学ウェブサイト・モバイルサイトにも掲載致します。

注意!

同じ作品、類似した作品の投稿が重なった場合は、先着作品を審査の対象にします。
作品はオリジナルに限ります。類似作が他にあると分かった場合は、模倣の事実の有無にかかわらず入選を取り消すことがあります。