恵泉ディクショナリー

歌詞とメロディ歴史文化学科

[かしとめろでぃ] 

歌詞とメロディとは

人に伝えたい大切なメッセージを残すために、古代人はそれに節をつけたと言われます、歌詞とメロディの発生です。そもそも昔は楽譜もありませんし、テープもCDもありません。大切な言葉を言葉だけで覚えているより、節をつけて覚えた方がずっと効果的であることに気付き始めたのでしょう。古代の詩が、しばしば歌と同意語で使われていたことは多くの人が知るところです。そういえば旧約聖書の詩編の言葉も、別名ダビデの歌と言われていますし、平家物語だって節がついていたようです。現代ポップスの代表格にミスチルやポルノがいます、彼らの歌をよーく聞いてみると自分を見失いかけている若者に強烈なメッセージを送る、メッセージソングであることが分かるでしょう。しかし近年この伝統的動きに例外が現れました、秋元康の作る曲です。氏曰く、歌詞なんて曲の上に適当に載っていればそれでよい、と堂々と言うのです。そこまで割り切って考えれば確かにそうかもしれませんが、歌詞にメッセージが込められ、そのメッセージを次の世代に語り継ぐということこそが歌詞とメロディの本来的役割ではないでしょうか。

2012年07月01日 筆者: 岩村 太郎  筆者プロフィール(教員紹介)

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