恵泉草花検定 合格者の声
「恵泉草花検定」を受けて
人間社会学部社会園芸学科3年 中澤藍
私は2015年9月に行われた「恵泉草花検定」春季2級に挑戦しました。この検定は花壇材料となる草花の名前に関する正確な知識を問うものです。恵泉女学園大学が2013年3月から、春季と夏秋季の年2回ずつ行っており、2015年現在、5級から2級まで受けることができます。春季2級の出題候補種数は80で、試験ではそのうち40種の写真が提示され、その和名、科名、英名、学名を解答します。
私が所属している社会園芸学科では、2年次春学期の授業内で多摩センターの駅前花壇をつくる実習を行い、これを通して地域貢献活動について学びます。草花のタネを自分たちで播き、育苗し、植え付けやその後の管理を経験することで、花壇づくりの難しさを実感しました。その一方で、植物をタネから育てることや、花壇を自由にデザインすることに楽しみを見出しました。この授業後も有志で集まり、課外活動として駅前花壇活動を継続しています。私にとって仲間と共につくりあげたこの花壇が、草花検定を受験するきっかけになりました。
草花検定の勉強をする中で、苦戦したことは学名を覚えることです。学名とは、生物種を属名+種形容語の形式でラテン語表記する世界共通の名称のことです。例えば、春のボーダーに欠かせないジギタリスという草花は、Digitalis purpureaと表されます。試験勉強を始める前までの学名のイメージといえば、図鑑に書いてある難しそうな文字の羅列でしかなく、目を留めて見ることはほとんどありませんでした。そんな馴染みのない学名を覚えるには想像以上に時間がかかり、もう覚えたと思って次の日に書こうとすると、忘れているということが何度もありました。また、同じ科に属し一見似ている種同士でも、属が違うと学名が全く異なります。本番に混乱しないよう、根気よく反復学習を繰り返しました。
草花検定を受ける一週間前、夏期休暇を利用してイギリスのキューガーデンを訪れました。世界的に有名な植物園に行きたかったことはもちろんですが、ここでひとつ確認したいことがありました。それは、外国で学名が本当に使われているのか、自分の目で見てみることです。当日花壇のプレートをのぞき込むと、そこには見覚えのあるGypsophilaの文字があり、感動しました。属名でこの草花がカスミソウの仲間であることが分かったからです。他にもフクシアやインパチェンスなど美しい花々が花壇に彩りを添えていました。草花検定での勉強を早くも活かすことができて、本当に良かったです。
帰国後、不安が残るまま試験日を迎えましたが、無事合格することができました。草花検定に興味を持たれた方、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?植物の名前を覚えることは、園芸を学ぶための最初の入り口になるだけでなく、植物と自分の距離をぐっと縮める良い機会になるはずです。
私は将来、恵泉で学んだことを活かして園芸関係の仕事に就きたいと考えています。そのため、次の目標は名前を覚えた草花の栽培や、それらを利用した花壇デザイン手法を修得することです。残り少ない学生生活を大切にしながら、これからも様々なことにチャレンジしていきたいと思います。
「恵泉誌511号(2015年度 第4号 2015年12月16日発行)」より転載