社会園芸学科
人と人との豊かなつながりを築く新しい園芸をめざし、園芸学と心理学を学びます
人と人、人と自然との豊かな関係を築く人を育成するため、園芸学と心理学の2つの領域について学ぶカリキュラムを編成。植物の栽培や利用について園芸学で学ぶとともに、人(自・他)に対する理解を深める心理学を学ぶことで、園芸を中継ぎとした人垣づくりをめざします。
「園芸の基礎から心理学まで 幅広い学びが魅力です」
植物のもつリラックスなどの心理効果について興味をもち、園芸と心理の両方を学べるこの学科を選びました。農業という生産側の視点だけでなく、利用まで含めた幅広い園芸の可能性を取り扱っているのも魅力。園芸文化領域のゼミに進んでからも、花や野菜などから自分の好きなテーマを選べたり、農業を社会的な目線でみたものと心理的な目線でみたものなど、自分の興味ある選択肢から学びを深めています。
- 社会園芸学科 3年
(学年は取材当時のものです) - 池田 茉耶 さん
東京・都立園芸高等学校 出身
特徴的なプログラム
少人数クラスが多く、全員が1年次~4年次まで10名前後のゼミに必ず所属します。社会園芸学科のゼミでは、植物の栽培や加工、社会での活用、楽しみ方、人の認識の仕方、子どもの発達や子どもとの係わり方、食や環境の問題、地域活動などをテーマに、ディスカッションや発表を通してコミュニケーション力を身につけ、自分の力で問題を発見し解決する方法を学んでいきます。そして、専門的学びの総仕上げとして4年ゼミの最後に卒業論文(必修)を提出します。
『社会園芸基礎演習(2年春ゼミ)』『社会園芸実践Ⅰ』などの授業では、学生がタネから苗を育て、デザインし管理する花壇づくりをしています。特に『2年春ゼミ』はオムニバス形式で行われ、全員が環境要因と心理要因の基礎的な測定と評価を学びながら、タネから育てる花壇づくりを実践します。このような学びによって「花壇を通して人と人、人と自然が繋がること」を体感します。
園芸を中継ぎに、人と人、人と自然との関係を構築するためには、まずは植物に関するしっかりとした基礎知識(理論と実践)を学ぶ必要があります。そのうえで、さらに園芸の活動を通じた人々の生活、活動の問題へと展開していきます。
人に働きかけるためには、「人」に対する理解を深める必要があります。人はなぜ、そのように振る舞うのか、反応するのか、という問いを、実験や実践を通じて学んでいます。人の見方のクセを知る(探る)ことは、人に働きかけるための基礎訓練でもあります。さらに、子どもの発達や子育て支援も実践的に学びます。
社会園芸学科は、人々の生活活動を豊かにするための実践的な学びを重視します。園芸を中継ぎに、希薄になった地域のコミュニティーづくり、種々の障害を負った方々の活動支援などについて、基礎知識はもちろん、その方法や考え方についても学びます。
専門を深める学びは、「領域」に分かれて行います。
2年春学期から希望の「領域」の授業を体験し始め、3年春学期までに自分の学びたい「領域」を選択します。「多文化オープンコース」のゼミを選んで、学科の枠組みを越えた自由で創造的な学びを追究することもできます。
園芸文化領域
園芸の知識・技術を習得し人を育む環境の構築を探究する
園芸の知識・技術を基礎に、地域社会における問題解決の糸口を考えます。持続可能な社会のために園芸が果たすことができる新しい可能性について実践的に学びます。
心理領域
心理学の考え方と扱い方を学び豊かな人間関係の構築をめざす
心理学の基礎知識や統計的な分析技法を習得し、親子関係、女性心理、教育心理など身近な人間関係を中心に、既存の関係性を検証し、新しい関係の構築に向けた課題解決に取り組みます。
領域共通 | 園芸文化領域 | 心理領域 |
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社会園芸学科の卒業論文テーマ例
- 江戸東京野菜
―その歴史と現在を探る― - 食文化による地域ブランドの戦略の成立過程と新たな歩み
―変化する食の在り方- - Instagramから読み解く、小品盆栽の現代の傾向と将来展望
- 異なる意見との向き合い方
―感じ方の違いから見る他者の受け止め方― - 恵泉における園芸教育は暮らしの中でどのように生かされているのか
- 緊急時に援助行動を起こす心理的要因の検討
―経験談の効果の有効性について― - 三種の植物を用いたグリーンカーテンのベランダ栽培とその効果
- コロナ禍における園芸療法
―植物や園芸作業を活用した新しい支援を探る― - 視覚障がい者が園芸を楽しむための提案
―視覚に頼らない創意工夫―
取得できる資格/免許
めざす進路
- 園芸関連企業
- 造園・緑化関連企業
- 食品関連企業
- 園芸療法士
- 保育士・子育て支援施設
- NGO/ NPO・生協・JA
- 対人支援関連
- 大学院進学