クリスマス前のピーナッツウィーク

恵泉園芸短期大学でアドヴェント(クリスマス前のキリストの降誕を待ち望む待降節)に行われていた、ピーナッツウィークというイベントがあります。ピーナッツウィークは、故山口美智子先生(元短期大学園芸生活学科長)がアメリカのフィラデルフィアのとある学校に留学していたときに体験し、園芸短期大学に取り入れたものです。その想いは、今も大学の「生活園芸Ⅰ」の授業で受け継がれています。教育農場や「生活園芸Ⅰ」では、タネから野菜を育て、利用することを通して人と人のつながりや、畑に集ういのちあるものを思いやり、多様性を尊重することを学ぶことも大切にしています。そのため、授業の一環としてピーナッツウィークが行われています。

「生活園芸Ⅰ」のピーナッツウィークは、2週間にわたります。初めに、全員が1人1つピーナッツを引きます。そのピーナッツを割ると中から、そのクラスの誰かの名前が書かれた紙が出てきます。その名前の相手に、誰がしているかわからないように相手が喜ぶようなことや親切をするように心がけます。

この期間は、クラス全体が暖かな気持ちに包まれます。自分の事ばかり優先していまいがちな今日、他者のことを想って行動することのおもしろさや大切さに気付かせてくれるのがピーナッツウィーク、と先生から体験談を交えたお話しがありました。

そして、2週間が経ち、いよいよ誰がピーさんだったのかを発表する日がやってきました。「私の名前は~です。私のピーさんはどなたですか?」と言うと、尽くしてくれていたピーさんが手をあげます。そして尽くしていた相手に、メッセージカードとささやかなプレゼントを渡します。なかには、手作りのジンジャークッキーやワックスバーを渡す学生もいました。

皆それぞれ、相手のことを思い浮かべながらプレゼントを用意したのでしょう。心のこもった贈りものをもらうと、なんだか心があたたかくなりますね。

園芸教育室 スタッフ

ピーナッツを1人1つ引く
ピーナッツの中から相手の名前が出てくる
ワックスバー
折り紙でできた花束
ハーバリウム
ジンジャークッキー
ピーさんが繋がって輪ができる