キャンパスの花壇
- 2019年04月26日5/12(日)多摩キャンパスオープンガーデンのご案内
キャンパスの主な花壇を紹介します
キャンパスの植栽
1986年に開設された多摩キャンパスの植栽は、恵泉園芸センター・六本木フラワーショップ次長(当時)の故百瀬和子さんが、恵泉蓼科ガーデンでの経験を生かして構想したものです。ユキヤナギ、ヤエザクラ、ヤマボウシなど次々と咲く花木、新緑や黄葉の美しいケヤキやカツラ、それらの樹木の根元に咲くクリスマスローズやスズラン、赤い実のなるヒメリンゴ、サンザシ・・・季節の移ろいを身近に感じることのできる植栽となっています。
多摩キャンパスは、緑豊かな多摩の自然を背景に、多くの植物を植えることで、様々な鳥や虫が集う生物多様で、自然のバランスがとれたキャンパスです。
花壇の植物
キャンパスの花壇は、学生と園芸教育室(2013年度より園芸準備室から名称変更)スタッフで管理しています。キャンパス内にあるガラス室で種子から苗を育て、それを植え付けています。小さな苗が花壇に定植され、葉が茂り花が咲く、その過程を学生は手入れをしながら観察します。キャンパスの花壇には、1年間に約200種類以上の草花が植えられています。
花壇管理も教育農場と同じく、原則として無農薬・無化学肥料の有機栽培で行っています。
キャンパスの花壇
①前庭花壇
公開講座「タネから育てる花壇作り」の実習花壇として2005年の春に作られました。低木はアジサイ'アナベル'、宿根草は伊勢原の園芸短期大学から移植したペンステモン コービエとキバナノノコギリソウ、シオンなどが植えられています。
年に2回、公開講座でタネから育てた一年草の苗を植えて花壇を作っています。生育が比較的早く、観賞期間の長い一年草は、毎回花壇の色彩とイメージをガラリと変えることができるので変化に富んだ楽しい花壇です。3つある花壇は、毎回それぞれ異なるテーマカラーに添って作られています。月に2回、公開講座の時間内でタネから花壇用の苗を育て、手入れを行っています。
②ウッドランドガーデン
キャンパスを入ると1番最初に見えてくるガーデンが、ウッドランドガーデンです。ウッドランドガーデンとは、雑木林の下草として、花が咲く植物を植えた庭を言います。
③メインガーデン
学生食堂の建物をぬけると、そこが約500㎡のメインガーデンです。中央に円形のハーブガーデンがあり、それを取り囲むようにボーダーガーデンが配置されています。
毎年、春と秋の2回花壇図を作成し、5月のスプリングフェスティバルと11月の恵泉祭で、草花クイズ「この花なあに?」に参加した方に配布しています。
キャンパスの植栽を設計された故百瀬和子さんは、建物との調和だけでなく、感性を培う季節の変化といった観点から落葉樹を多く用い、さらに学生が草花の手入れをすることができる花壇も作ってくださいました。それがこのメインガーデンです。
開設当初は短期大学英文学科のキャンパスだったので、学生の学びのためにシェイクスピアに因んだ植物を植えてくださいました。「現在の園芸品種ではなく、シェイクスピアが見ていたであろう、今よりは原種に近いものを」と園芸短期大学の卒業生有志が、あちらこちらを探し回って植物を揃えて下さったそうです。
時が経ち植物の種類は変わりましたが、これからもそのご苦労に思いを馳せ感謝しつつ、学生と共に管理を続けていきたいと思います。
円形花壇
ハーブガーデンは、花や葉の美しいハーブ類を植えた花壇です。中世ヨーロッパでは、修道院で作られていました。植物は薬草、ハーブティー、調味料などに使われます。
中央部分には30種類ほどのハーブが植えられています。
円形の中心には、高さ約3m、幅約1.5mの鍛鉄(たんてつ)製のモニュメントがあります。製作者の水上慎一氏は、恵泉の入学から卒業までの学生生活「耕し、 種をまき、休んだり、水をやりながら、時間をかけて収穫する」をイメージし、多摩キャンパスのガーデンにふさわしいデザインにしてくださいました。モニュメントの先端には「収穫する妖精」がいて、風の方向を指しています。下の方には「耕す妖精」がいます。ぜひ、この二人の妖精を探しにいらして下さい。
モニュメントのある中央の花壇は、季節の草花と野菜やハーブを組み合わせたポタジェになっています。
それを取り囲む4つの植栽枡は、バラ、主にオールドローズとラベンダーが植えられています。香りが良い魅力的な2つの植物は、お互いの成長に良い影響を与え合うコンパニオンプランツ(共栄植物)で、ラベンダーにはバラの病虫害に対して、防虫や殺菌効果があるといわれています。
外側の8つの植栽枡は、それぞれのテーマでコーディネートされています。シトラス系の香りを集めたセクション、 白い花が咲くハーブを植えたホワイトガーデン、タイムベッドやセージガーデンなどがあります。
梅雨時期には、「生活園芸 II」で挿し木実習をしますが、その挿し穂はこの花壇から採ります。
2012年度、夏秋の花壇図(PDF:1.8 MB)を紹介します。
ボーダーガーデン
ボーダーガーデンは、生垣や壁などを背にして作る花壇を言います。通路側の一方向から見るため、前方が低く、後方が高くなるように立体的に植物を植え付けます。イギリスで発達した花壇で、草丈や花色、開花期など植物の特徴を考えデザインします。
円形花壇を囲むように、ヒメシャリンバイの生け垣を背に配置されたボーダーガーデンには、100種類ほどの草花が植えられています。苗のほとんどは「生活園芸II」の授業で、学生がガラス室でタネ播きやポッド上げをして育苗したものです。そして秋には、ここから花や葉を摘んで、小瓶に挿す小さなアレンジメントの実習をします。
カラースキーム(色彩計画)を重視したボーダーガーデンでは、カラーハーモニーを考えて春花壇は淡い色で、夏~秋花壇はビビットな色を中心にコーディネートしています。
2012年度、夏秋の花壇図(PDF:1.17 MB)を紹介します。
メドウガーデン
メドウとは牧草地のことで、メドウガーデンは草の中に野の花が咲く草原のような庭を言います。
建物側には早春にスイセン バルボコディウムやムスカリなどの小球根が、春から初夏にはヤグルマギクやオルレアなどの野草、秋にはコスモスが咲く自然の趣きがある小さな野草ガーデンを作成中です。
⑤キッチンガーデン
G棟南側の三角形のわずかなスペースに、枕木とレンガで囲ったキッチンガーデンがあります。澤登ゼミの学生が植栽管理をしています。野菜だけではなく、ハーブや草花を混ぜて植えることで、見た目にも楽しく作られています。
ここも教育農場と同様の有機栽培、農薬や化学肥料はいっさい使用していません。また、自分たちの手でタネから育てることを基本としています。
自宅の台所脇に、こんなガーデンがあったらいいですね。
⑥ロックガーデン
ロックガーデンは、岩と山野草のような比較的小型の植物を組み合わせて作る花壇です。
チャペル正面入り口を右手に降りると、ロックガーデンがあります。ここでは、斜面を生かしてチャペルの壁に合った岩を並べ、小花が咲く可憐な草花やグランドカバーになる植物が植えてあります。早春には小球根の花が次々と咲きます。
⑦シェードガーデン
シェードガーデンは、木陰や建物の北側など、日陰や半日陰でも丈夫に育つ植物を植えた花壇です。日本の家庭の庭は建物の影になった場所が多いので、シェードガーデンとよべる庭を多く見かけます。日本原産のギボウシやシャガ、ヤブランなど日陰に強い植物が多くあります。
東門から見て、右手のレンガの階段を登ったところ、チャペル北側の木々に囲まれた場所にシェードガーデンがあります。早春にはクリスマスローズ、初夏にはアカンサスやアナベルが咲きます。シェードガーデンには、ボーダーガーデンのような華やかさはありませんが、落ち着いた雰囲気が魅力です。カラーリーフと呼ばれる葉の美しい植物などを組み合わせて、花が少なくても楽しめる植栽になっています。
シェードガーデンからチャペルへ続く道は、クリスマスローズがたくさん植えられているヘレボルス・ガーデンになっています。クリスマスローズは、まだ花の少ない2月頃から咲き始めます。
⑧コンテナガーデン
コンテナガーデンは容器に草花を植えて観賞する花壇で、移動が可能なことから移動花壇とも呼ばれます。
キャンパスに飾られたコンテナガーデンは、季節の草花でコーディネートされたコンテナの他に、野菜やハーブと草花を寄せ植えした恵泉らしいエディブル(食べられるもの)のコンテナもあります。