Keisen Wild Rose Garden特別講演を行いました。

2017年10月27日

6月に開催したKeisen Wild Rose Garden 5周年記念講演に続き、実の美しい秋、10月5日に野村和子先生の特別講演を行いました。学内外からの参加者は50名余りでした。
まず教室での講演、次にバラ園へ移動して野村先生による現地説明、最後にバラ園に隣接するオーガニックカフェでのTea Time、というプログラムでした。

<講演>

今回の講演テーマは「庭園におけるバラいまむかし ―古来人々はどのような庭園を造り どのようにバラを愛でてきたのだろうか―」。
バビロンの空中庭園の話からはじまり、紀元前400年頃のヘロドトス著「歴史」から、千夜一夜物語、源氏物語、ばら戦争まで、古い書物をいくつも紐解き、そこに書かれているバラに関する記述から、具体的なバラの名前をあげ、どのように栽培されていたかなどを解説してくださいました。バラと人の歴史絵巻を見ているようでした。
中には、「源氏物語」の乙女の巻に出てくる六条院の庭にバラが植えられていたという記述を読み、千葉から日帰りで京都・宇治にある源氏物語ミュージアムまで、その庭の模型を見に行かれたというお話もありました。バラの栽培や分類のみならず、文学や芸術に至るまで原著にあたって研究されてきた、その幅の広さと奥の深さに改めて感動した人は少なくないと思います。

最後に、「すべての生物が共存して、はじめて地球は成り立つと思います。そう考えると、世界的にオーガニックの方に向かっているのは大事なことで、目指すべきテーマの一つではないかと思います。」と未来への展望を語ってくださいました。

<現地説明>

講演の後は、40名余りの方が現地へ移動し、野ばらの庭ならではの実を観賞しながら、Keisen Wild Rose Garden~野ばらの庭~の植栽について説明を受けました。

見所は、ローズヒップティーにするとおいしいロサ・エグランテリアやロサ・カニーナのつややかな赤い実、地味だけれどロサ・バンクシアエ・ルテスケンス(一重のモッコウバラ)の小さな緑色の実など。
特にロサ・ロクスブルギー・ノルマリスの大きな黄色の実がたわわに実っている様子は、見ごたえがありました。おまけに一輪だけ、花も咲いていました。野村先生でも、これほど実っているのは見たことがないそうです。

現地説明の際には、学生が体験学習の一環として、野村先生のご指導を受けて作成した『Keisen Wild Rose Garden~オーガニックの野ばらの庭~ガイドブック』が配布されました。

ロサ・エグランテリア
ロサ・バンクシアエ・ルテスケンス
ロサ・バンクシアエ・ルテスケンス
ロサ・ロクスブルギー・ノルマリス
現地説明
現地説明 集合写真

<Tea Time>

最後に、学生が運営に携わっているオーガニックカフェのケーキとお茶をいただきながら、なごやかな雰囲気で野村先生のお話を伺いました。参加者は30名ほどで、ご自分の庭にバラを植えている方もいらっしゃり、次々に質問の手があがりました。そのお悩みに野村先生が具体的に答えてくださいました。

Keisen Wild Rose Gardenの講演は、恵泉女学園花と平和のミュージアム(バラ園運営委員会)主催、恵泉女学園同窓会、恵泉女学園大学園芸文化研究所共催で行っています。

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