「ぬれぎぬ?」
このコーナーで取り上げられた話題「大学生の5割が読書時間ゼロ」についてですが、最近新聞でこの事についてスマホとの関係が分析されていました。意外なことに読書時間の減少にスマホの直接的な強い影響はみられないとの結果がでたのです。読書時間の短さには文系より理系、医歯薬系など学生の属性が関係していたとのこと。大学入学前もその後も読書習慣の無い学生が増えていることが背景にあり、受験勉強のためにそれまでの読書習慣が無くなり、大学入学後もそのままというパターンがあることも指摘されていました。そうだとすると読書時間を増やすためにはまず読書習慣を身につけてもらうことが一番ということになります。電車の中でみなスマホを見ていて同じ座席で本を読んでいるのは自分だけということもありがちな日常を思い浮かべると、この分析の結果は全く予想外です。しかしわずかですが、光明が差しこんできた感じもします。読書時間が減っているのがスマホに時間をとられるせいと言われれば世の中の大きな流れには逆らえないものだろう、とつい納得と諦めの境地になってしまいそうですが、そうとも限らないとすれば、読書の楽しさを学生の皆さんに知ってほしい、という図書館からの働きかけも、少しは効果を期待できるのかもしれないと。先日国際アンデルセン賞の作家賞の受賞が報じられた角野栄子さんの、「読書によって積み重なったことばが人が生きていく上で力となる」という言葉も頼もしいです。
新年度も新しい本との出会いを楽しみに始めたいと思います。(A)