お宝拝見
恵泉祭が終わりました。今年は4年ぶりに入場制限なしということで、多くのお客様がいらしてくださり、にぎやかな秋の日を過ごすことができました。
図書館では古本市を開催。こちらにも多くのお客様が足を運んでくださり、一日中にぎわっていました。後日、初めて本学の図書館を訪れたという知人からメールをいただきました。
「まず入口の展示で、岩崎灌園が私の好きなハエマンサスや「まんじゅう咲きのぼたもち水仙」を早くも紹介していた(そもそも貴学が『本草図譜』の色付きを所蔵していた!)事実を知って驚愕。」
ということで、今回は、この岩崎灌園の『本草図譜』についてご紹介します。
事の起こりは2010年、神奈川県伊勢原市にあった短期大学園芸生活学科の図書館で、片付けをしていた職員の吉川さんが、私のところにやってきて、新聞紙に包まれたボロボロの古本(のようなもの)を手渡し、「なんとなく貴重そうなモノなんだけど」とのこと。
これが、文政11年1829年に岩崎潅園(1786~1842)の手によってできたという『本草図譜』の写本でした。江戸時代の二大植物図譜のひとつです。『本草図譜』は全96巻でそのうち山草部四冊に色彩が付されています。恵泉には、巻6、巻7、巻8が残されています。虫食いでボロボロだった本ですが、和紙の性質をいかした特殊技術で手に取れるように修復され、美しい彩色をみることができます。ご覧になりたい方は、図書館スタッフまでお声掛けくださいね。(T)