年末の掛け軸
今年もあとわずかになりました。学内もクリスマスの飾りで彩られ、先日はクリスマスツリーの点火式も行われました。多摩センターにも毎年恒例のイルミネーションが施されています。日が短くなり暗くなるのも早くなりましたが、飾りやイルミネーションがあるおかげで少し明るくあたたかく感じるような気がします。
ここ数年この時期になると、以前読んだ本に登場した掛け軸が思い出されます。私自身、掛け軸といえば床の間に飾られた絵や文字が書かれたものというイメージしかなく、普段の生活の中では全く馴染みのないものでした。それが意図せず作中で様々な掛け軸が登場し、その季節に掛けられる意味を知ることになり、とても興味を惹かれました。その中で目を引いたのが「先今年無事芽出度千秋楽」(まずはこんねんぶじ めでたくせんしゅうらく)と書かれた掛け軸でした。お話の中では12月に掛けられるもので、意味は"平穏に一年を終え、千秋楽を迎えて誠におめでたい"というような一年を締めくくる言葉だそうです。本を読んだのがちょうど年末だったこともあり、今年も一年を終えられただけでめでたいと言われているようで、とても穏やかな気持ちになったのを覚えています。なので今年も一年を振り返るような時期になり、改めてこの言葉が思い出されたのでした。年末まであとわずか、まだまだなにかと慌ただしい時期ですが、皆さんも穏やかに新年を迎えられることを願います。(C)