1月7日のシラサギ
能登半島地震と日航機事故の衝撃的なニュースに接し、お正月は出かける気になれなかった。だが美術展を予約していた事を思い出し、7日にようやく外出した。
最寄り駅は表参道。ブランドの路面店が並ぶ華やかな通りが眩しく、人混みの中を一目散にN美術館へ。
こちらの企画展はいつも見応えがあり、胸に刻まれる作品と出会える。大き過ぎない展示室のため、時間もさほどかからない。見終わった来場者たちは、当然のように庭園の中にあるカフェや散策へと繰り出す。複数の茶室や池を備えた立派な日本庭園には、高低差のある道なりにユーモラスな石像などが配置され、退屈しない。ロウバイもまだ咲いていなかったが、ベンチに座り鳥の声を聴いているだけでも心が落ち着く。
ぼんやり木を見上げていると、視界の隅からふわーっと大きめの白い鳥(鳩ではない)が飛んで行った。後を追い池の方へ降りていくと「シラサギだ」と言う声がする。シラサギ?南青山に?と疑いながら探すと、池に足を浸す小さめのサギの姿が。寒かろうに。
姫路城(別名: 白鷺城)で有名なシラサギだが、これは白いサギ類の総称で、大きさによりダイサギ、チュウサギ、コサギに分かれ、アマサギやクロサギの白色型(!)もいるらしい。私が見たのはおそらくコサギだ。
サギは昔から神の使いと言われ、神社の神紋に使われたり、シラサギによって発見されたと伝わる温泉も多い。幸運のシンボルでもあるサギに願いを託したい。現在の痛ましい事態が早く良い方向へ向かいますように。(N)