恵泉蓼科ガーデン研修に参加した学生の声(2年生編)

恵泉女学園大学の学生は、所定の条件をクリアすると、恵泉蓼科ガーデンで研修することができます。
2016年度に研修生として、専任スタッフと共にガーデン管理を経験した学生の声を紹介します。
「恵泉誌516号(2016年度 第4号 2016年12月15日発行)」より転載

蓼科ガーデン研修に参加して

人間社会学部社会園芸学科2年 田中美希

私は2016年8月に、長野県にある蓼科ガーデンの研修に参加しました。私がこの研修に参加しようと思った理由は、住んでいる地元とは違う、のびのびとした環境で育つ植物を身近に観察してみたかったのと、植物の栽培書で、育てる地域によって植物の手入れの時期や作業が異なるものがあると知り、興味を持ったからです。

蓼科へ行って実際にした主な作業は、植物をきれいに見せるため、枯れ葉や花柄を鋏で取り除くことでした。また、地元の方に販売するための植物の株分けや水やり、花壇全体の見栄えや日当たりを良くするための除草なども行いました。
研修中はガーデンの敷地内で生活しており、園芸作業以外では、自炊や洗濯、掃除など、普段はつい家族に委ねてしまうことを率先して行ったことが印象に残りました。私の他には、先輩が二人同じく研修に来ていました。朝・夕食時には先輩二人と小澤さん、昼食時にはガーデンスタッフの西尾さんも加わって食事をしました。今まで深く関わっていなかった方々と四六時中一緒に過ごした経験は初めてで、しかもこんなに短期間で親しくなれたことに、我ながら驚きました。そして、もっと色々な人と関わってみたら面白いのではないかと考えられるようになりました。
普通の家庭や植物園では、植物は花が終わったらすぐに切られてしまいます。しかし、今回この研修に参加して、枯れた植物の風情やできた種を鑑賞できる感性が、人によって違うと実感しました。咲いている花しか見ない人には、枯れた花は汚く見えるかも知れません。ですが、本来花は新しい命をつくるためにできるのであって、種が実るまで楽しむというのは案外自然なことなのではないかと思いました。また、大きく育つヒマラヤスギなど、都市部で見るものは大抵剪定されていますが、ここではほぼ自然樹形で見ることができました。人によってどういう植物の姿が美しく見えるかは違います。一つの姿だけではなく、人に育てられた植物や自然に育った植物など、この研修を通して様々な植物に触れ、植物に今までとは違った親しみのようなものを感じるようになりました。