恵泉女学園大学

朝鮮戦争の民間人犠牲者の遺骨発掘作業を手伝う

4日目(2月23日)は、ソウルから約200kmの距離にある忠南牙山(アサン)で、朝鮮戦争前後に韓国の軍・警察や民兵隊により虐殺された民間人の犠牲者の遺骨発掘作業の現場を訪れました。昨夜のキムミンチョル先生によると、朝鮮戦争が勃発すると、韓国警察や軍は北朝鮮に協力する可能性があると思われる人々を「共産主義者」「アカ」だといい、山地や炭鉱などに集めて複数の地域で集団虐殺を行ったそうです。2004年以降、韓国の市民団体は、その民間人犠牲者の場所を選定し、基金を集めて遺骨発掘を行ってきています。5回目を迎える今回の牙山の村は、51年1月、北朝鮮軍に占領されていた村で、避難しないで北朝鮮軍に協力したと言われて農民たちやその家族が虐殺された場所でした。住民の証言によると、約200名が犠牲になったそうです。韓国の大学生らも参加している遺骨発掘の現場は、多くの人が沈黙のなかでも黙々に作業をしながら、出てくる遺骨にいろんな反応がありました。私たちも実際に作業に参加し、掘った土のなかに流出されているかもしれない遺品を探す作業を手伝いました。実際にその土のなかで、銃弾や骨を見つけました。
遺骨自体は思ったより軽かったが、その人のことや、虐殺の背景、民間によって発見された過程などを考えると、過去の歴史の重さを改めて感じました。韓国政府がもっと制度的に取り組む必要があると思いました。午後は仁川に移動し、1883年仁川開港以降作られた日本人町と、隣接しているチャイナタウンを歩きました。仁川は国際空港として知られているが、朝鮮の近代化の発祥地であり、外国勢力の朝鮮支配の入り口であったことを改めて実感しました。チャイナタウンではジャージャー麺発祥の地と言われている店でおいしいジャージャー麺を食べました。

(平和学研究科修士1年 M.N.)

朝鮮戦争時民間人犠牲者遺骨発掘作用をする現場の様子
作業中に土のなかから発見された実際の銃弾
ジャージャー麺発祥の店でおいしいジャージャー麺を