マカオ大学生との交流から学ぶリアルなマカオ
9日目(2月28日)は、マカオの二日目で、マカオ半島から新カジノ町・タイパ島へ移動しました。午前中はタイパ島の南にあるパンダ公園で、パンダ家族の元気な朝食の様子をみました。パンダの他にもレッサーパンダや猿、ブラックスワンもみることができて、長い旅の疲れが癒された瞬間でもありました。バスに乗り、イタリアの町を再現したヴェネチアンホテルを始め、フォーシーズンズ マカオ、ギャラクシー・マカオなど巨大なカジノホテルがずらっと並んでいるタイパ島を回ると、別天地に来ているような感じがしました。ホテルの中には外国のあらゆる高級ブランド店が集まり、大勢の人々がカジノに没頭していました。 なぜそれほどカジノに人々が集まるのか、その理由はわかりませんが、中国の大陸から多くの観光客がカジノを目指してきていることはわかりました。
午後は、タイパ島の向かい側にあるマカオ大学へ訪問し、学生との交流を行いました。マカオ大学(1981年設立)は7年前に現在の中国広東省珠海市横琴島に移動した公立大学です。学生は約1万名で、50%が中国大陸からの学生だそうです。社会科学部の学部や大学院生の学生らと交流をしました。現地の学生らの話によると、カジノ場には実際マカオ人は一切出入りができず、外国人や中国大陸から来た人々が入るそうです。マカオ人は外国人により、交通渋滞や食堂が足りないなど被害を受けている側面もありました。また、マカオの学生はカジノに対して利益はあるけど、カジノは土地をたくさん使うから、大きくないマカオにとっては家賃上昇で、若者が住みづらい問題が発生しているそうです。開発ブームで外国人労働者が多く入り、マカオ人労働者との緊張感もあると学生は言っていました。
ポルトガル時代に関しても、マカオ大学の学生は、1999年の解放後(中国への返還後)はほとんどのポルトガル人がマカオを出たので、マカオの人たちはポルトガル語の看板があってもポルトガル語は必要ではないと言われて、意外と思いました。実際、若者は、ポルトガル語にはあまり興味がなく、英語や中国語を勉強したり、仕事もカジノよりも、銀行や公務員を目指しているそうです。香港とは違って、中国人としてのアイデンティティが強いという説明もあり、それはポルトガル時代に中国人への差別が多く、中国本土への帰属意識が強かったことが影響しているそうです。学生交流を通じて、若者のまっすぐな声を通じて、マカオのリアルな現状や内面の世界を知れたのはとてもいい経験でありました。
(国際社会学科4年 M.H.)



