「カンボジアの農村と伝統文化」タイ・カンボジア短期フィールドスタディ参加学生から報告が届きました⑤

2018年02月20日

タイ・カンボジア短期フィールドスタディ(2月10日~20日)が現在実施されています。

7人の学生たちが半年の事前学習を経て、現在、タイ・カンボジアの都市と農村に滞在し、現地の人々がその抱える課題をどのように乗り越えようとしているのか、人々と直接語り合いながら、体験的に学習をしています。

引率者の高橋清貴教授は、20年以上、ODA(政府開発援助)とNGO(貧困や環境問題などに対し民間の立場から取り組む非政府組織)で国際協力の仕事をしながら、様々な途上国の現場を歩いてきた先生です。

それでは、学生の現地報告・第5弾、お読みください。

5日目の今日は、カンボジアの農村の暮らしを体験する日です。

まず午前に、私たちはシェムリアップから1時間ほど車で行ったところにある村の公立小学校を訪問しました。生徒数151名、先生7名の小さな小学校です。学校に到着すると、全校生徒が先生と一緒に拍手で出迎えてくれたので、ちょっと戸惑ってしまいました。その後、子どもたちから歓迎のしるしとしてカンボジアの伝統的唱歌、「アラピヤ」を歌ってくれました。私たちからは、自己紹介の後、用意したドレミファ体操や「幸せなら手をたたこう」の振付、衛生指導として手洗いを教える紙芝居をしました。

シェムリアップ州には公立小学校は512校、中学校は80~85校、高等学校は35校と結構な数の学校がありますが、それでも家まで5~7km離れているため1時間~1時間半も歩いて来る生徒がいるそうです。また、遠いと先生の家庭訪問が難しいため、キメの細かい教育ができないのだそうです。通学に長い時間をかけている子どもがいる話を聞いた時、私はフランスの『世界の果ての通学路』(パスカル・プリッソン監督)という映画を思い出しました。この映画は、四つの異なる地域で長時間かけて通学する子どもたちの姿を追ったドキュメンタリーです。私も通学には時間がかかっていました。小学校にはバスか徒歩、中学校の時は自転車、高校時代には両親に最寄り駅まで車で送ってもらってから電車とバスを乗り継いで通学していました。しかし、映画の子どもたちは片道2時間かけて歩いたり、馬に乗っての通学。それも崖や象の足もとを抜けるなど危険と隣り合わせの通学です。それに比べれば私の通学なんて、恵まれているほうです。時々、大学に行くのが面倒に感じることがありますが、世界には学校に行きたくても行けない人、もっと学びたいと思う人が、まだまだたくさんいます。初心にかえって充実した学校生活を送っていこうと改めて思いました。

訪問の最後は自由時間。ビーチボールや折り紙、水鉄砲、シャボン玉などで思いっきり一緒に遊びました。

午後のサムロム村は、300世帯全体が1つの親族のような村です。歩いていると、たくさんの顔が似ている人に出会います。村では、採れたばかりのココナッツジュースと出来立てのやし砂糖で歓迎してくれて、その後牛車に乗って村を散策しました。ココナッツジュースは利尿効果やデトックス効果があり、アルツハイマー予防にもなるそうです。甘さが控えめで、意外とあっさりしていました。やし砂糖も、きび砂糖やサトウキビなど他の砂糖と異なる甘さで美味しかったです。ココナッツの実と一緒に食べるとバツグンです。

夜、村から戻ってビュッフェ形式の夕食を食べながらカンボジアの伝統舞踊であるアプサラダンスを鑑賞しました。大学で日本舞踊のサークルに所属しているため、とても興味深く見ました。日本舞踊とアプサラダンスは美しい姿勢を保つために普段使わない筋肉を使って様々な体勢をとるところが共通しています。一方で、手の指を後ろに反らす表現は、日本舞踊にはないものです。花の一生を表しているそうですが、とても美しく、いつか実際に踊ってみたいと思いました。

ちょうど中日ですが、本当にたくさんの出会いと学びがありました。残りの旅も、一期一会を大切にして感謝の心を忘れずに過ごしていきたいです。

(根岸幸子、国際社会学科2年)

「国際性」で首都圏女子大第1位の評価を獲得した恵泉の国際交流プログラムについてはこちらをご覧ください。

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