京都ゼミ旅行 日本語日本文化学科

2009年11月20日
 投稿者:稲本 万里子
 ゼミ/授業名:日本文化史演習II・日本文化史課題演習II

日本美術史の3年ゼミでは、春に上野毛の五島美術館で「源氏物語絵巻」の見学、秋に『源氏物語』の舞台である京都を訪ねるゼミ旅行をおこなっています。今年は、10月31日から11月2日まで、2泊3日で行ってきました。

1日目
京都駅に集合して奈良に向かいます。目指すは東大寺、興福寺、そして1年に1回「正倉院展」が開催される奈良国立博物館です。東大寺南大門では金剛力士像の大きさに感動して、戒壇院では四天王像に踏まれている邪鬼のかたちに、思わず笑みがこぼれます。興福寺は、「せんとくん」効果で大混雑でした。そんななか、仮金堂で念願の阿修羅像にご対面です。そのあと「正倉院展」を見学、天平時代の宝物にうっとりした1日でした。奈良から京都に戻り、ホテルにチェックイン。半日よく歩いて、ヘトヘトでした。

2日目
のんびり宇治コースで今日は楽チン♪と思っていたら、途中から大雨に降られてしまいました。まずは宇治上神社、それから宇治市源氏物語ミュージアムへ。宇治川を渡り、お昼を食べたら、いよいよ平等院鳳凰堂の見学です。天喜元年、藤原頼通が父道長から譲られた別荘に建てた阿弥陀堂。安置されている阿弥陀如来坐像は仏師定朝作です。付属の鳳翔館では、雲中供養菩薩像を間近に見ることができます。夕食は、先斗町の居酒屋さんでした。

3日目
最終日は、朝一番に風俗博物館へ。ここでは平安時代の装束を実際に着ることができます。調度品も復原しているんですよ。みんな、コスプレに大満足。京都御所で紫宸殿や清涼殿を見学したあと、お昼を食べて三十三間堂へ。千体千手観音像や風神・雷神像に圧倒されました。京都国立博物館で開催されていた「日蓮と法華の名宝」展では、日蓮が書いた『立正安国論』の迫力にびっくり。京都駅にて解散しました。

ゼミ生たちは、それぞれ担当を決めて、お寺や美術館の前で見どころを説明し、それをもとにゼミ旅行のレポートを完成させます。昼間はお勉強、夜は平等院のミュージアムショップで買ってきた雲中供養菩薩トランプをしたり、夜通しおしゃべりしたりで、充実した3日間でした。

三十三間堂の前で、はいポーズ

雨の平等院鳳凰堂です

風俗博物館にて。女性の装束は袿、男性の装束は狩衣です

担当教員:稲本 万里子

専門は日本美術史。とくに平安時代から鎌倉時代に作られた絵巻を研究しています。「源氏物語絵巻」のなかでは、どのような女性像が理想的なイメージとして描かれたのか、そして、それは誰にとっての理想像だったのか、といったことを考えています。ジェンダーや権力の視点からイメージを読み解いてみませんか。

稲本 万里子