私のゼミでは、庭園や緑地に関する研究をテーマとしております。現在、3年ゼミでは5月のスプリング・フェスティバルでのキャンパスの樹木ツアーに向けて、その準備を行っております。樹木ツアーでは、参加される方々に、学生手作りのキャンパスの樹木に関する冊子またはパンフレットを配布し、一緒に歩きながら1種類ずつ丁寧に解説していきます。毎年、3年生は樹木の知識はほとんどないままゼミに入ってきますが、2ヶ月足らずの準備期間で必死に勉強し、樹木の解説ができるまでになります。これを境に、みどりへの関心を一気に深め、各自の卒論テーマをしぼっていくことになります。
今年のゼミ生は庭園に興味を持っている学生が多いので、スプリング・フェスティバルが終わって一息ついてから、都心や鎌倉へ日本庭園の見学に行くつもりです。日本庭園では、庭園に関する知識があまりなくても、ただのんびりと眺め、散策するだけで心が落ち着き、ほっとするものです。しかし、庭園に植えられている植物や全体のデザインについての見方が分かるようになると、楽しさも倍増します。日本庭園は造られた時代によっても、使い方や求められているものが異なります。例えば、龍安寺の石庭のように座って観賞するものもあれば、浜離宮庭園のように池の周りを巡って楽しむ庭もあります。西洋庭園についても同様の視点で見てみると、日本庭園と共通する部分が意外に多かったりするなど、外見だけでは判断できないおもしろさがあります。いずれにしても、庭園デザインでは、その土地の自然環境や文化を活かすことが大切であることがわかります。
卒論のテーマとしては、庭園だけでなく、例えば、多摩キャンパス周辺に生育する絶滅危惧植物の現況と保全、スギ・ヒノキ人工林の有効活用等、より自然環境に近いみどりについても扱っています。小さな庭から自然公園レベルの広域の緑地まで様々な対象がありますが、まずは一つ一つの植物に親しむことからはじめていきましょう。