9月16日に卒論ゼミの日帰りゼミ合宿がおこなわれました。え?ゼミ合宿って泊まらないの?はい、泊まらないのです。 美術史のゼミは、資料や図版が多いので、発表はいつものゼミ室を使っておこないます。秋学期の授業が始まってから、 卒論提出の1ヶ月前までに、ゼミ生全員の中間発表を終わらせようとすると、どうしても時間が足りません。 そこで例年、授業開始前に、朝から夕方まで、中間発表会をおこなっているのです。
今年は4人のゼミ生が発表しました。トップバッターは宝塚歌劇の演出法、次は日露戦争史、3番目は幕末の歴史、最後は「病草紙」の肥満の女について。 いったい何のゼミかと思うでしょう。これでも美術史のゼミなのです。 ゼミ生は、3年の夏休み前に卒論のテーマを決めて、夏休み中に資料を集めます。 3年秋学期、4年春学期と、すでに2回中間発表をしているので、最後は作品を取り巻く状況についての発表が多くなるのです。
最近の美術史研究では、ニュー・アート・ヒストリー(新しい美術史学)といって、美術館に展示されるような作品だけではなく、ありとあらゆるビジュアルなイメージが研究対象になります。 卒論のテーマも、絵巻や画帖、映画やアニメ、漫画など、さまざまです。テーマ選びの原則は、まず日本のビジュアル・イメージであること。 次に物語あるいは史実との比較ができること。 3つ目にジェンダー(社会的文化的に作られた性のありよう)、クラス(階級)、レイス(民族)の視点から分析できることです。 日露戦争時の風刺画を取りあげたゼミ生は、史実との対応関係を調べ、日本やロシアがどのように描かれたのか、レイスの視点から分析しています。 卒論の完成が楽しみですね。
発表のあとは、おやつタイム。ゼミ長が焼いてきてくれたチーズケーキを食べながら歓談。終わったあとは、打ち上げでした。