翻訳を通して文学の「心」や英語圏の歴史と文化も学ぶ 英語コミュニケーション学科

2010年11月18日
 投稿者:英語コミュニケーション学科4年生 高橋 悠里
 ゼミ/授業名:翻訳論

古賀林先生のこの授業では、様々な英語の文章に触れる機会があります。
子供むけのお話や一般的な短編小説から、堅い新聞記事、エッセイ、音楽評や映画評といったノンフィクションまで、英文を日本語にしていきます。

この英語から日本語に訳すという作業は、今までやってきた和訳とはまったく違います。  ただ訳すのではなく、登場人物の性格や感情、文章を書いた筆者の狙い、読者の視点まで考えて日本語を選んでいく作業は、とても面白いです。 英語の読解力もつきますが、何より日本語の奥深さも知ることができる授業です。

春学期は、まず児童文学の『くまのプーさん』と『ピノキオ』の冒頭部分、後半は一般むけのアメリカの短編小説2つを訳しました。 そしてこれらの訳は、「リレー翻訳 作品集」という冊子になりました。

秋学期は、ビジネスレターと私信を手はじめに、ダイアナ元皇太子妃追悼式でのハリー王子のスピーチ、今日のハロウィンの慣習の起源、「ジャック・オー・ランタン」の由来について訳を試みました。 今後はマイケル・ジャクソンの音楽に関する評論、ハリー・ポッター・シリーズの映画評などを扱う予定です。

翻訳の仕方だけでなく、辞書の引き方からしっかり教えてもらえる授業なので、英語に自信が無い人でも頑張っていけるクラスです♪

英語コミュニケーション学科4年生
高橋 悠里

翻訳とは、「ある国の言語・文章を同じ意味の他国の言語・文章にうつすこと」ですが、そこにかかわってくるのは言語だけではありません。 内容を正確に読み取り、訳に反映させるには、しっかりした英語の読解力と日本語表現力が必要なのは言うまでもありませんが、背景にある社会の歴史と文化、いま何が起きているかなど、幅広い知識も必要です。 文学なら、文体や言葉のリズムまで含めてその「心」を伝える、ノンフィクションなら背景事情を調べたうえで訳す――この翻訳という作業を通して両言語への理解を深めるとともに、さまざまな情報源を活用するスキルも身につけていただければ幸いです。(古賀林)

リレー翻訳 作品集

担当教員:古賀林 幸

アメリカの文化と価値観を学び、大使館や出版メディアで翻訳の仕事をしたのち、大学教員になりました。英語をコミュニケーション・ツールにしたいみなさん、一緒に英語メディアから世界のいろんな情報・知識を得たり、翻訳の試みを通してじっくりと言葉や表現(英語と日本語両方)の奥深さを味わったりしてみませんか?

古賀林 幸