インドネシア・フィールドスタディ 人間環境学科

2011年01月20日
 投稿者:片倉 芳雄
 ゼミ/授業名:FS I(インドネシア)

学生14名のグループが、2010年7月31日~8月11日、インドネシアのバリ島およびロンボク島にて「環境と開発」をテーマにフィールドスタディ(FS)を行った。 このFSは、体験を通して五感でこのテーマを体得できるよう考えられている。
バリでは、収穫後捨てられることの多いバナナの茎(偽茎)の繊維からの紙を作り----バナナの茎を切り倒すところから繊維を分離して紙にするところまでを行った。 また山間部にたくさん生えている竹を使って竹炭作りやこの竹炭入りの石けん(ヤシ油原料)作りを行った。 山間の高原の村では有機栽培コーヒー豆(果実)の摘み取りからコーヒーの焙煎まで行い、皆で味わった。 竹かご作りでは、村の人たちから教えてもらいながらの作業で良い交流の機会となった。

ロンボクでは、捨てられたバナナの茎を原料にした堆肥作り、ヤシの葉の帽子作り、糸や布の草木染めや織物などを行った。 また、食材調達から調理までロンボク料理作りの体験も行い、夕食を楽しんだ。 どれも地域の資源を有効活用した手作りである。 リンジャニ山麓の村は高原野菜の産地で、トウガラシ・レタス・トマト・セロリなどの他、多くの野菜が栽培されている。 ここでは伝統的な家屋・生活形態などに触れることができた。 この村では、コーヒー豆の調整、赤米の脱穀・籾摺りは女性の仕事の様で、昔ながらの臼と杵で行っていた。 伝統的な手作りの生活形態を守り続けている村である。 ロンボクの東側に位置する無人のGili Surat島では、マングローブ林の中をカヌーに乗って観察したり、サンゴ礁をシュノーケリングで観察を行い、その後マングローブやサンゴの植え付けも行った。 山間部に入ると、一帯にバナナ畑が広がっているのが目につく。 ここも森林の伐採によってバナナ畑に開墾された所である。 環境保護と開発をどのように調和を図りながら進めていくかが大きな課題となっている。
日本では欲しいものはすぐに手に入り、何からどのようにして作られているかなど考えることもなく、使い終わったら捨てる、それが日常である。 このFS で、学生たちは身の回りにある資源を使って手作りの生活体験をすることを通して、日本での生活をもう一度見直すきっかけが得られたことだろう。

バナナの茎から紙作り

ヤシの葉の帽子作り

担当教員:片倉 芳雄

土は、その地方に特有の色をもち、性質もまた異なっています。土と水は植物の生育を支え、私たちの生命をも直接的あるいは間接的に支えています。土・水・人間は相互に影響を及ぼし合う関係にあり、これら個々の性質や働きが地球環境にどう関わっているかを考えてみたいと思います。

片倉 芳雄