このゼミは、「大学において「学ぶ」ことを学ぶ」がテーマです。高校までの勉強は、どちらかといえば、教科書や参考書の内容をそのまま暗記することが主です。そこにみなさん個人個人の考えをさしはさむ余地は、あまりありません。ですが大学での勉強では、そういった暗記型の勉強に加え、自分自身で調べ、自分独自の考えを持ち、しかもその成果を発表することが求められます。
自分が興味を持つ事柄について、自分の力で深く調べてゆき、今まで誰も発見しなかったことを、自分が発見する。楽しいことであると同時に、たいへん難しいことです。そういった学術研究の基礎を身につけることが、この授業の大きな目的です。
本ゼミでは毎回、学生のみなさん一人ひとりに、書評の発表をしていただいています。発表担当者は、いま自分がもっとも関心を持つ事象についての本を一冊読み、その内容の簡単な紹介と、本に対する自分自身の考えについて発表し、それについて、参加者全員で討論をしあいます。受講生のみなさんの関心事は、異文化交流・歴史学・司法制度・環境問題・語学など非常に多岐にわたっており、授業は、自分の考えを発表する練習の場であると同時に、互いに視野を広げあうという面でも、非常に有意義な場となっています。
長いようで短い大学時代。学生のみなさんには、ぜひ、自分の力でものを考える力を養い、これからの人生に役立てていただきたく思います。