現代の日本の野菜は、遺伝的に雑種で、性質が均一なF1雑種(一代雑種)がほとんどです。これは、農家が育てやすく、管理しやすく、計画的に栽培しやすいからです。ところが、日本には、伝統野菜とか地方品種などと呼ばれているものがあります。これは、その品種の形や味などを保持している個体を十数個選んで、それらを集団的に栽培し、種子を採るというものです。F1品種みたいに安定しておりませんが、昔からの懐かしい故郷の味を守っております。
例えば、この伝統野菜にテーマを絞って、卒論を書く学生がいます。伝統野菜とは何か、どんなものがあるか?そこに住む人々の暮らしとどうかかわっているか?などなど、詳しく調査してゆきます。そして、最後に、伝統野菜が有する人間環境的な意義や問題点などについて記述し、論文を終えます。
伝統野菜には、どんなものがあるのか、最後に、みなさんにもご紹介いたしましょう。
写真1:これは、どんな野菜を作っているのでしょうか?
写真2:正解は、ウドです。
写真3:この野菜は、水かけ菜です。この野菜は、10月の稲刈りが終わった後、畝を立て、種をまき、発芽したら田んぼの中に水を入れます。この水が特徴的です。この水は、富士山の地下水(湧水)なのです。この地下水は、常に水温が12~13度で夏も冬も同じです。そのため、冬に無加温で12~13度の気温が出せるのです。